#177 6/22 J3 第17節 FC町田ゼルビア vs AC長野パルセイロ
『東京偉蹴的 MATCH OF THE WEEK』 #177
J3前半戦の天王山 6度目の対決で町田がライバルに初勝利
6/22(日)17時 町田市立陸上競技場
J3 第17節 FC町田ゼルビア 1-0 AC長野パルセイロ
今年から始まったJ3リーグも、早くも折り返し地点までやってきた。そして、この17節が終われば、天皇杯予選そして本戦1回戦へと繋がって行く為、しばしリーグ戦は中断となるのだが、今年のリーグ日程は見事と言うしかないぐらい絶妙な日程を組んでくれていた。そう、リーグ前半戦のラストゲームにFC町田ゼルビア vs AC長野パルセイロという「首位攻防戦」がラインナップされていたのだ。
首位を走る町田はここまで11勝4分1敗、そして2位の長野は10勝5分1敗。両者の勝ち点差はわずか「2」という僅差であり、開幕前から予想されていたとおり、2強がしっかりと結果を出して今回の「前半の天王山」を迎えた。だが、ここまでの道のりについては順調だった町田に対して、長野はやや苦しい中を乗り越えて、ここまで来たという感もあった。
昨年2013シーズンの町田は、ある意味でJ2からJFL降格してしまった2012シーズン以上にどん底であったと言っても過言ではなかった。1年でのJ2復帰が絶対条件であったのだが、チームは波に乗れず、奇しくも1年前に同会場で行われた長野戦で0-4という惨敗を喫して監督更迭という荒治療に出た。しかし、流れを取り戻すことが出来ず、最終的には4位という順位で終わっていた。そんな中でクラブは、かつて「強い町田」の土台を作った監督でもある、相馬直樹氏に再建をゆだねたのだが、この人選が見事にハマるのだった。
相馬監督のプランは至ってシンプルである。自身が鹿島アントラーズで「黄金期」を築いた「4-4-2」のサッカーを、このクラブでも実践し、その上で選手に対して役割を明確化させてやりやすい環境を作り出した。また選手側も、昨年の苦い思いが逆襲へのバネとなっていた。
それに対して長野は上でも記したが、ここまで苦しい試合の連発であった。昨シーズンのJFLチャンピオンであり、天皇杯でも格上と互角以上の戦いを見せ、一気にその名前を全国区のものにしていった。だからこそ、今シーズンにおける他チームからのマークは半端なものではなかった。どのチームも長野の戦術、選手の動きなどをしっかり分析してきたことにより、どの試合も難しいものになった。しかしそれでも、1敗しかしてこなかった長野は「さすが」というべきところでもあった。