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#158 9/30 東京国体サッカー成年女子 1回戦 東京都選抜 vs 愛媛県選抜

『東京偉蹴的 MATCH OF THE WEEK』 #158

東京都国体選抜女子 サッカーの怖さを痛感する敗戦

9/30(日)12時 八王子市立上柚木公園陸上競技場
東京国体サッカー成年女子 1回戦
東京都選抜 0-2 愛媛県選抜

敗戦を告げるホイッスルが鳴ると、ある者は天を仰ぎ、またある者はその場にしゃがみ込んで悔しさを露わにした。愛媛県国体選抜に敗れ、東京都国体選抜は初戦で姿を消した。

アクセントになった中村と野口

東京都はスフィーダ世田谷FCの9人に、大学生・FW中村ゆしか、高校生・FW野口彩佳を加えた11人がスタメンに名を連ねた。立ち上がりからボールを支配すると、前半4分に中村ゆしかの落としを、MF田中真理子が両チーム通じて初のシュートを放つ。10分には、MF下條彩のヒールパスを受けた中村が狙う。3トップの両翼に入った中村と野口が、スフィーダ主体のパスサッカーにアクセントを加えていく。

中村は周囲と近い距離を保ちながら、フィニッシュに持ち込む。左サイドの野口は、一瞬のスピードと思い切りの良さを活かし、積極的にシュートを放った。

ポゼッションで上回り、ゴールの予感を漂わせていた東京都。しかし、試合を動かしたのは愛媛県だった。30分、カウンターの流れからMF西川早弓が左サイドを抜け出すと、丁寧なクロスをファーサイドでMF岩本有加が頭で捉える。東京都・GK川口真奈の手を弾き、ネットを揺らした。劣勢だった愛媛県の、前半唯一のシュートで1点が決まった。

「自分達のサッカーは出来ていた」とDF田中麻里菜が言うように、東京都がいつ得点するかという内容だった。手応えを感じられていたからこそ、ビハインドでハーフタイムを迎えても気落ちしていなかった。ただ、攻撃に関しては懸念材料もあった。両ウイングを早い段階から使い、中央からこじ開けようとするシーンが少なかった。「中に食いつかせておいて外を使う」というプランを中野進治監督は描いており、選手達もそれは共有していた。

しかし中村、野口という『個』を活かそうとするあまり、逆に彼女達を孤立させる現象が生まれていた。

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