#154 9/21 なでしこリーグ 日テレ・ベレーザ vs 伊賀FCくノ一
ハーフタイム、寺谷監督は選手達に指示を送った。
「練習でやっていない事をやるけど、とにかく蹴れ」
この日のピッチコンディションではベレーザらしいサッカーは出来ない。「一か八かの」決断だったが、それは選手も同じ考えだった。MF阪口夢穂が振り返る。
「自分達もそういうプレーをしないといけないと思っていました。裏を一発で狙う方が今日は可能性を感じたので、そういうプレーをしました」
この日のシュート数は両チームとも4本だった。しかしベレーザの中盤の選手が放ったシュートは、田中投入後にフォワードからポジションを移した長谷川の1本のみ。後半に入ってとにかく縦を意識した事で、前線との距離が広がった。中盤が積極的にフィニッシュに絡むのがベレーザの持ち味だが、練習でも試していない形は機能しなかった。
「状況に応じて色々な事が出来ないといけない」、と寺谷監督は振り返る。様々なコンディションに左右されて戦い方が変わっても、それに対応出来なければならない、と。どんな環境でもスタイルを貫き通せればベストで、これからも“自分達のサッカーを”進化させていくはずだ。しかし、この日のようなサッカーをするしかない試合は、またあるだろう。だからこそ、状況に応じてプレー出来なければならない。阪口も、「トップリーグでプレーする上ではやっていかないといけない」と言う。
「前期はもう少しボールを持ってチャンスを作る時間があったんですけど、今日はそういう事が全く出来ないまま、ただ終わってしまった」(寺谷監督)
これで今シーズンの伊賀FC戦は2連敗となった。寺谷監督は「もう一回戦いたい」と言う。指揮官の言葉には、この日ベレーザが味わった屈辱と、それを跳ね返せるだけの強いプライドが凝縮されている。
試合後の日テレ・ベレーザ監督・選手コメント
寺谷真弓監督
-試合を振り返ってください。
「最初の入りは悪くなかったので、0-0の時間をもう少し長く作れたらというのはあります。早い時間で2失点したのが全てだったと思います」
-田中選手の投入も早めざるを得なかったですか?
「しょうがない、行くしかないと。裏で勝負するしかないと思っていたので、とにかく(裏へ)出ていけと」