#145 8/18 なでしこリーグカップ 日テレ・ベレーザ vs 浦和レッズレディース
エースの同点弾 再確認したチームの持ち味
後半、ベレーザ・寺谷真弓監督は高橋に代えて田中を投入する。高橋は、何とかパスを受けようと動き回っていた。彼女が下がって起点になる事でチャンスを作るシーンもあった。だがゴール前に顔を出す機会が少なく、相手に恐さを与える事が出来なかった。ハーフタイムに寺谷監督は、相手の背後を狙うよう選手達に指示していた。
代わって入った田中は、スピードを活かして裏を狙う姿勢を見せる。後半6分、木龍のパスを受けた田中が、ドリブルで持ち込み左足で狙う。アメリカ遠征で痛めたという右膝もこの日は問題なく、積極的にゴールを目指す。そして12分、CKを相手GKがファンブルしたところを岩清水が詰め、そのこぼれ球を土光が狙うと最後は田中が押し込んだ。「こぼれ球を狙っていた」というエースの一発で、ベレーザが同点に追いついた。
前半は中盤の勝負で後手を踏み、そこからサイドを使われるなど走らされたベレーザ。だが後半は逆に、ベレーザがピッチを広く使う事が出来た。この日の田中はボールの収まりも良く、ターンで前を向く“らしさ”も随所に見せた。田中のプレーに周りの選手が呼応し、両サイドバックも高い位置まで攻め上がる事が出来た。
試合は結局1-1のまま終了したが、見応えのある内容だった。ベレーザとしては反省点もある。前半は消耗を最小限に抑えようと、前線から連動したプレスをかけなかった。だが、それが浦和Lに自由を与えてしまっていた。「ガンガン行った方がうちらしい」と寺谷監督が言うように、この試合でベレーザは、自分達の持ち味を再確認したはずだ。
試合後の両チーム監督・選手コメント
浦和レッドダイヤモンズレディース・神戸慎太郎監督代行
-試合を振り返ってください。
「やってきた事を出して、勝つという気持ちをプレーで表現しようと。引き分けでしたけど、選手達は頑張ってくれたと思います」
-試合内容についてはいかがですか?
「ボールも主導権もベレーザに支配される時間が長くなると思っていました。そこを我慢して、チャンスに繋げられたと思います」
日テレ・ベレーザ 寺谷真弓監督
-前半は中盤の所で相手ボールになる場面が多かったですが?
「一対一の所で勝てなかったですね。真夏ですし、消耗も考えてガンガン行かない方が良いのかなと思っていました。そういう入り方をしたんですけどうまくハマらなくて、やはり前から行った方が良かったなと思います」
-ハーフタイムにはどのような指示を送ったのですか?
「やはり前からプレスをかけていこうと。攻撃に関しては形は作れていたけど、相手の背後へのボールが少なかった。田中が入った事で裏を狙う意識も出てきたと思います」
-後半はダブルボランチ気味になる場面が多かったですが?
「押し込まれる中で阪口が後ろに引っ張られてしまいました。主導権を握れている時は、3人でバランスが取れるんですけど。阪口をもう少し前でプレーさせたかったですね」