#138 7/28 関東1部リーグ 後期 第5節 エリースFC東京 vs FC KOREA
ここで先制が出来ず、流れは次第にエリースへ移る。ボールを持てる時間も長くなり、サイドを起点に速い攻撃を見せる。前半の両チームのシュート数は、エリースが7本、KOREAが8本だった。試合を支配していたのはKOREAで相手陣内でプレーしていたが、シュートの数はほとんど変わらなかった。それについて、「ボールを奪ってからのチャンスは、こちらの方が多かった」と谷川は話したが、まさにその通りだった。
後半開始早々にエリースが先制に成功
前半の終盤に流れを掴んだエリースが、後半開始直後に試合を動かす。2分、谷川のスルーパスを受けたFW青山太一が左から渾身のシュート。GKが弾いて高く上がったボールにFW山下真太郎が反応する。相手DFにブロックされながらも高々と飛び上がり、ヘッドでゴールへねじ込んだ。ミスから逆襲を受け、ビハインドを背負ったKOREA。MF朴世訓は「ミスをカバー出来ない。去年までだと踏ん張れたんですけど」と唇を噛んだ。
こうなると試合はエリースが掌握してくる。そこまでギアを上げたようには思えないのだが、要所の踏ん張りや力の入れどころを心得ているのがこのチームの真骨頂。相手の攻撃を浴びているようでいなし、チャンスと見るやしっかりゴール前まで攻め込める。
KOREAもフリーでMF黄希在がヘッドを放つなど、チャンスを作ったがゴールは遠い。サイドから攻めるという狙いは誰もが実践していたが、後半が進むに連れて単調になり、クロスを入れては跳ね返された。
そしてアディショナルタイム。エリースのカウンターが発動すると、ペナルティエリアの左角で受けた山下が、余裕を持って左足を振り抜く。ポストに当たってそのままネットに吸い込まれ、エースの一撃で試合を決めた。
エリースはこの勝利で関東リーグ1部残留を決めた。ここからは、シーズン開幕から目標に掲げていたトップ3を目指す戦いが始まる。「その為にリーグ戦を頑張ろうと。これからもポジティブに戦えると思います」と、檜山監督は今後に向けて自信を覗かせた。
一方のKOREAは、痛すぎる黒星となった。 「自信より不安の方が大きいまま、試合に臨んでいる状態」だと、朴は言う。前期は好調で、それが練習や次の試合にもポジティブに作用していた。だが今は勝てていない状況で、何かきっかけが欲しい所。 「今すぐにでも変わらないとズルズルいってしまいそうな雰囲気。前を向いてやっていくしかないです」 KOREAは、リーグ優勝に向けて正念場を迎えている。