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#103 12/15 天皇杯 4回戦 柏レイソル vs 横河武蔵野FC

『東京偉蹴的 MATCH OF THE WEEK』 #103

2度目のジャイアントキリングは成らず JFL・横河武蔵野FCの挑戦は4回戦で幕を閉じる

12/15(土)13時 第92回 天皇杯全日本サッカー選手権大会 4回戦
柏レイソル 1-0 横河武蔵野FC 日立柏サッカー場

11月18日の最終節をもって、JFLは2012シーズンを終えた。だが横河武蔵野FCは天皇杯4回戦に進出している為、シーズンがまだ続いている。カップ戦を着実に勝ち進む横河に立ちはだかる次なる相手は、昨シーズンのJリーグチャンピオン・柏レイソル。この難敵に対し、横河・依田博樹監督は「まずは前半無失点で」というプランを立てていた。また今シーズン、ひとつの武器として昇華させた堅守速攻が、柏にどこまで通用するか。その部分も楽しみな一戦だった。

当初のプランは崩れるも善戦を見せる

横河はディフェンスラインを5枚にし守備の姿勢を打ち出し、センターのDF金守貴紀がラインを統率する。普段より一人少ない中盤の3枚は、いつも以上に豊富な運動量が要求された。それについてMF岩田啓佑は言う。

「個々の能力では劣るので、一人ひとりがハードワークしてグループで勝負していこう」

柏クラスの相手から勝利を奪うとなると、やはりいつも以上のファイトが必要になってくる。試合開始から、横河はそのタスクを忠実にこなしていた。だが、昨シーズンのJ1王者はわずかな隙も見逃さなかった。前半24分、クロスボールへのクリアが短くなった所を拾われると、最後は混戦の中をFW田中順也が振り向きざまに左足を振り抜き、ゴールが決まった。ディフェンダーもチェックにいき、GK飯塚渉もコースを消していた。だが、わずかに生まれた隙間を縫うように、ボールはネットを揺らしていた。

前半を無失点で終えるという目的を打ち砕かれた横河だったが、柏がペースダウンしたこともあり、畳み掛けられることはなかった。加えて、決定的なチャンスこそなかったが、横河も前半に5本のシュートを放った。

横河得意のカウンターが発動するも、Jの壁は厚かった

「まずは追いついて、逆転のことはそれから」という展望を依田監督は描いていた。先のことまでは考えず、目の前の1点に全力を傾ける。そんな気持ちが込められていたのだろう。そして後半21分、横河が動く。

FW小林陽介に代えてFW関野達也を投入し、このタイミングで5バックの中央で体を張っていた金守を一列前に上げる。サイドバックになるべく高い位置を取らせ、守備時は「センターバック2枚と金守を残して攻撃に出る」(依田監督)布陣にシフトチェンジ。試合がクライマックスに近づくに連れ、横河がカウンターを見せる。

最大のチャンスは37分、MF加藤正樹のパスを、途中出場のDF上田陵弥が左サイドでフリーで受ける。そのまま持ち込み右足で狙うと、相手ディフェンダーに当たりコースが変わる。横河の同点かと思われたその時、柏・GK菅野孝憲が鋭い反応でボールを弾く。

千載一遇のチャンスは相手のファインプレーにかき消されてしまった。2分後には、MF矢部雅明のドリブル突破から関野が狙うもクロスバーを超える。後一歩の所まで迫るも最後の一押しが足りず、4回戦で横河の天皇杯は終わりを告げることとなった。

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