#89 10/16 全社 準決勝 FC KOREA vs バンディオンセ加古川
前半の得点は1点のみだったが、ここまでは前日の準々決勝と全く同様の展開となった。そして31分、KOREAが追加点を挙げる。MF李智星のFKを尹が頭で落とすと、最後はFW魚仁禹が押し込んだ。
前半で2点のリードを奪ったKOREAは、更に後半開始から試合を決めにいく。2分、右サイドでスローインを受けた魚がドリブルからマイナスのクロスを送ると、姜がこの日2点目となるゴールを左足で決めた。
「後半も入りをしっかりやって、ワンチャンスをモノにして優位に立てた」と朴が振り返ったように、この3点目で決勝進出を確実なものにした。攻めるしかなくなったバンディオンセは、15分過ぎから前に出てくるようになる。
4連戦からくる疲労の蓄積もあっただろう。前日と同じスタメンで臨んだKOREAの出足が鈍くなったようにも見えた。しかし、監督を兼任する黄の見解は違った。
「昨日と同様の展開だった。(3点リードした後は)あえて運動量を上げず、調節しながらやっていた」
KOREAは3点のリードを奪っていた。ゴールが欲しいのはバンディオンセの方だ。ならば、前がかりになって攻めてきた相手の攻撃を抑えて、自分達はカウンターからチャンスを作る。KOREAは、そういった試合巧者な時間の進め方をしていた。
後半、バンディオンセはKOREAを上回る数のシュートを放ったが、ネットを揺らすことはできなかった。対するKOREAも、37分に朴が意表を突くループシュートを見せたがクロスバーに阻まれた。
ここまで3試合連続で先制ゴールを奪っているFC KOREAが、この日も必勝パターンで勝利を掴んだ。そして、明日の決勝を見据えた戦い方を、準々決勝と準決勝で見せる余裕も持っている。もはや大会のダークホース的存在ではなく、優勝有力候補と言っても過言ではない。
クラブ史上初となる決勝進出。ここまでの勝利が決して偶然では無い事を、明日も証明してくれるだろうか。相手は天皇杯でJリーグクラブを倒している東北リーグ王者の福島ユナイテッドFC。注目の決勝戦は、味の素スタジアムで午後1時30分キックオフ。関東リーグの、在日サッカーの実力を示すに相応しい舞台は整った。
<試合後の監督・選手コメントは3ページ目に続く>