#72 8/25 東京都サッカートーナメント決勝 横河武蔵野FC vs 東京23FC
26分、左サイドのスペースに抜け出したMF三沢慶一が鋭いクロスを供給。これを途中出場のFW山本孝平がファーサイドで合わせ、東京23が先制に成功した。殊勲の山本孝は、ゴール裏のサポーターとチームメイトにもみくちゃにされた後、控えメンバーの所に駆け寄り、喜びを分かち合う。勢いを持ったチャレンジャーが、このまま押し切るかに思われた。
しかしJFL横河が、このまま終わる事はなかった。
土壇場で追いついた横河に勝利の女神は微笑む
後半43分、東京23ディフェンスラインの裏のスペースにボールが流れる。東京23・GK平川正城と横河・FW関野達也がボールを自分のものにしようと駆け込む。
そして、一歩早く追いついた関野をペナルティエリア内で平川が倒してしまい、PKの判定。これを関野自身が豪快に叩き込み、横河は土壇場で試合を振り出しに戻す。
残暑の続く東京は、夜になっても蒸し暑さが残っていた。両チームの選手にも疲労の色は濃い。僅か5分間のインターバルの後、延長・前後半20分の戦いは始まった。そして、延長戦でも先手を取ったのは東京23だった。
延長戦開始から前線に上がっていたDF中山友規が、延長前半10分に強烈なミドルシュートを突き刺す。これで延長後半を東京23がしっかり守り切り、試合を終わらせるだろうと思われた。
しかし、追いかける横河は延長後半の終了間際、途中出場のDF上田陵弥がオーバーラップから同点ゴールを決める。劇的なゴールで再び追いついたところで、延長戦終了のホイッスル。真夏の激闘はPK戦へと突入した。
互いのキッカー4人が決め、先攻の横河の5人目・MF矢部雅明が決める。東京23は決めなければ敗退が決定する。東京23の5人目はMF山下亮介。
東京23FCの天皇杯出場への望みを繋ぐ“一蹴り”は、無情にもクロスバーを超えていった。この瞬間、横河武蔵野FCの天皇杯出場が決定した。