#50 6/10 なでしこリーグ第9節 日テレ・ベレーザ vs INAC神戸レオネッサ
前半途中から良い流れを作っていたべレーザにアクシデントが起こる。42分、左サイドの深い位置から、岩渕が流れるようなターンで相手をかわしてラストパス。最後は永里がシュートを打つも、相手にブロックされた。この時、岩渕が右足を負傷してしまった。
アディショナルタイムがほとんどなく、前半は終了した。INACの攻撃に、べレーザは必死に対応した。そして、時間の経過と共に攻撃回数を増やしていき、決定的なチャンスも作った。だが、それを決めておきたかったのも事実だった。
PKによる失点。最後までゴールを目指したが、悔しい敗戦
後半開始からべレーザは選手交代を行う。負傷した岩渕に代わって、FW田中美南が投入された。
INACは、先制点を奪おうと攻勢を強める。べレーザは前線にボールを運ぶことが出来ない。守備陣は冷静に対処していたが、決壊する恐れも含んでいた。
そして後半14分、試合が動く。ペナルティエリア内で有吉が、川澄を倒しPKを与えてしまう。これを川澄が自ら決め、INACがリードを奪った。GK松林美久も反応していたが届かなかった。
試合後、有吉は「ペナルティエリア内だったし、気をつけないといけなかった。」と、自分のファウルを悔いた。しかし、相手は川澄だ。何もしなければ、どの道ゴールは奪われていたかもしれない。
攻めるしかないべレーザだったが、攻め手がなく時間が続く。ようやく訪れたチャンスは26分。伊藤、永里が絡んだ細かい繋ぎから、田中がシュート。しかし、これもGKに防がれてしまう。
このプレーでCKを得ると、クロスに飛び込んだのはMF阪口夢穂。フリーの状態でヘディングシュートを放つ。だが、クロスバーの上を超えていった。頭を抱える阪口。マークを外して完璧なタイミングでのヘディングだったが、同点ゴールとはならなかった。
32分、べレーザは永里に代えてMF小林弥生を投入する。この交代の意図を、野田監督はこう話す。
「起点を作りたかったのと、木龍を押し出して、相手を引きつけてもらうことでチャンスを作りたかった。」
小林弥の投入で、阪口がFWに近い位置でプレーすることになった。この起用で、流れはべレーザに傾いた。
中盤でパスが回るようになり、左からは木龍が持ち味のドリブルで仕掛けていく。しかし、すぐそこにあるゴールには辿り着くことができず、0-1のままタイムアップ。リーグ前半戦、ロンドン五輪中断前の大一番は、ディフェンディングチャンピオンの勝利で終わった。べレーザは今シーズン初の無得点試合となった。
<試合後の監督・選手コメントは3ページ目に続く>