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#8 9/18 関東2部 後期 第6節 エリースFC東京 vs 海上自衛隊厚木基地マーカス

まさか・・劇的な展開へ
サッカーを知るものであれば、2点のリードが危険だというオカルトは知っているはず。1点を返されると相手が勢いに乗るというのがそれだが、広く言われるほど目の当たりにする機会は少ない。まさか今回の試合でこのオカルトを信じることになろうとは、決して思わなかった。 後半32分、エリースは相手にPKを与えてしまった。このPKをMF小池勝に決められる。エリースは2点のリードに対して1点を返された。

マーカスは前節、S.C.相模原に勝利しており、エリースの選手やスタッフはその勢いを警戒していた。マーカスはサッカー以外でも肉体と精神を共に鍛えられているということもあり、非常にタフなチームだ。 そんなチームを相手に炎天下で戦う事となってしまった点はエリースが恵まれなかった点かもしれない。後半35分、エリースは一瞬の隙からカウンターで同点に追いつかれてしまった。

「3点目を取れれば試合は決まったんだけど、あそこで取れないのがちょっとね。そうなると複雑になっちゃうよね。(試合結果を受けて、)終わってみるとこの展開の方がみんな楽しめて良かったのかな。そういう意味ではいい感じの試合になりましたね。」(小宮監督)
「出れない選手への刺激に」フィナーレはベテランの一発
試合は劇的な展開を迎えた。しかしこれまでの展開は映画でいえばプロモーション映像でしかない。本編のクライマックスは改めて目の当たりにすることになる。

後半41分、左サイドをMF野澤大樹が突破する。野澤は外から内へじわじわと侵入すると、後方のスペースへと折り返した。マーカスの守備陣は野澤に注意を惹かれており、ペナルティアーク付近には広めのスペースが空いていた。このボールは後半途中出場のMF土井岳史が受けた。これまでの時間帯、エリースはゴールの近くへと確実にボールを繋ぐ攻撃を繰り返していた。マーカスがこの場面で低く構えていたのはその反動があったのかもしれない。土井は躊躇なく右足を振り抜いた。

「周りの誰からも『打つな!』(禁止)というオーラを感じたのけど、ベンチのみんなの分も右足に込めて打ちました。去年までスタートから出させてもらっていたのですけど、今年から環境が変わって出れなくなってしまった。ベテランらしく、試合に出てる選手と出てない選手のつなぎ役をどうやったら出来るかなと言うのを今年1年間のテーマとしてやってきた。結果を出すことで出てない選手にとっても良い刺激になるといいなと思います。」(土井)

土井が放ったボールは誰に邪魔をされる事なく、ゴール左隅に付き刺さった。土井は両手を天に突き刺すと、歓喜を分かち合うべく集まってくる味方の選手を振り切り、ベンチへと駆けていった。 その後もエリースは攻撃の手を一切緩めなかった。44分にMF深澤良が左サイドから中央へ持ち込んで角度の無いシュートを放つなど、最後まで追加点を奪いに行った。エリースFC東京は最後まで攻撃の手を緩めず、海上自衛隊厚木基地マーカスに3-2で勝利した。 この結果、エリースFC東京は今季の関東リーグ2部で2位以内が確定した。

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