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#15 1/19 エリースFC東京「マネジメント・セミナー」講演会レポート

連続性、というキーワード

まず、守備時の基本は一対一。ボールホルダーに正しくアプローチをかけられれば、後ろのディフェンス陣は前向きに重心を取れる。だからこそ、連動したプレスをかけることができる。

反対にボールホルダーとの間合いが広いと、相手に多くの選択肢を与えることになり、ディフェンダーへの負担が増してしまう。「連動して相手をはめこむのは体力的に大変」と檜山監督。だが、これがフィジカルトレーニングになるとも言う。試合の中でも強化していこうという意識が伺える。

攻撃では、『連続性』というキーワードを使った。スペースを創る動きでギャップを生み出す→ギャップに走りこむ→相手が反応し次のギャップが生じる→新しいギャップに走りこむ。この連続をコンパクトに保ちながら行う。

週2日の活動で戦術面をどれだけ高められるか。大切なのは「次の活動日に向かっていけるかだ」という。エリースが行っている事は、土曜日の練習・日曜日の試合のことを書き出し、メールで共有するというもの。どのような練習をしたのか、試合内容はどうだったのか。それらを細かく文字に起こすことで、活動日以外の5日間で意識づける。これは選手達の気持ちを次の土日に向かわせるだけでなく、コンセプトの徹底にも繋がる。

できることを実行し、ハンデをハンデのままにしない。そういった一つひとつの取り組みの積み重ねが、昨シーズン関東サッカーリーグ1部での準優勝に繋がったのだろう。週末にしか全体での活動がないチームが、このような素晴らしい結果を手にできた要因だろう。

Jリーグでは、選手が引退した後のセカンドキャリアの重要性が問われて久しい。サッカーにすべてを懸けるのは決して悪いことではない。より高いレベルでチャレンジするには、犠牲にするものも多くなるからだ。それでもエリースの選手達のように、仕事も家庭も、そしてサッカーも疎かにしないという生き方も、相当なエネルギーを要する。そういったエリースのポリシーを知る意味でも、またアマチュアサッカークラブについて知る意味でもこのセミナーは有意義なものだった。

小宮理事長によると、今後もこのような公開セミナーを行っていくという。エリースのピッチ内での活動はもちろん、今回のようなピッチ外での活動にも注目していきたいと思う。

(了)

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