TOP>>レポート>>CLUB REPORT>> #15 1/19 エリースFC東京「マネジメント・セミナー」講演会レポート
clubreport

#15 1/19 エリースFC東京「マネジメント・セミナー」講演会レポート

1月19日、立教大学・池袋キャンパスにてエリースFC東京のマネジメント・セミナーが行われた。

プロとしてサッカーを生業としている人達がいる一方で、仕事を持ちながら真剣に大好きなサッカーに打ち込む人達もいる。アマチュアサッカーの裾野は広く、関東サッカーリーグ1部のエリースFC東京もそのひとつだ。そんなエリースが19日、立教大学池袋キャンパスで公開セミナーを行った。【アマチュア・サッカーを極める】と銘打たれたこのセミナーの模様をお伝えする。

寄せ集めではない、強固な絆で結ばれた組織

第一部では小宮敏裕理事長が登壇し、エリースの成り立ちから現在に至るまでの流れを解説した。1970年の発足から40年以上が経過したが、その中でクラブとしての発展を止めることはなかった。集団・団体・組織という言葉を用いて、クラブの発展を語る。

最初はサッカーという共通の趣味を持った人達の、いわば仲良し集団だった。そこから東京都リーグに参戦したりという目的を持った団体へと変化していった。目標が大きくなるに連れて、強化の必要性も迫られる。

そこでクラブは、組織化の意識を強めていったのだという。

コーポレート・ガバナンスという言葉が現代社会の中でよく使われる。直訳すると企業統治になるが、この考えはクラブ組織にもあてはめられる。ガバナンス、そして行動規範がなくては組織の強化には繋がらない、小宮理事長はその部分を強調する。これらは理念という言葉に置き換えることができるだろう。

組織を強化する中で、クラブの価値を上げることも怠らなかった。強いチームを作り、より高いレベルのリーグで戦うことは知名度アップに繋がる。以前、こんなことがあったそうだ。全国社会人サッカー選手権大会で福島県に行った際、バスの運転手や旅館の人に「どこから来たんですか?」と聞かれたという。当時はエリースFCという名だったため、どの地域のチームかわからなかったのだ。せっかく全国大会に出場したのにこれではもったいない。また、「東京を代表するようなチームになりたい」(小宮理事)ということで、翌年からクラブ名に東京を加えた『エリースFC東京』に変更した。

クラブの価値を上げる取り組みには、クラブメンバーの増員というものもある。それは『40代以上の人にもサッカーを続けてもらおう』という考えからだそうだ。『生涯スポーツと捉え、人生を通してサッカーが生活の一部にある』 そんな生活を実現する為に、今年、新たに40代のチームを作っている。

現在、クラブは選手のスカウティングをしていない。小宮理事長、そしてクラブが求めるのはエリースへの愛だ。

「以前はやっていた時期があるんですけど、セレクションはうちに合わなかった。やっぱりクラブを大事にしてくれる人に来てもらいたい。上手い選手や上を目指す選手は、セレクションでより強いチームに行こうとする傾向があります。だから、うちが関東リーグから都リーグに落ちた時に何人か辞めてしまった。なぜかというと、エリースではなく関東リーグに残りたかったから。それは、エリースに対する愛ではなかった。うちに来てもらう選手には、本当にエリースのことを好きになってもらいたいんです。そう考えるとセレクションは向いていないなと。今は私が直接お会いして、気持ちが通じたら入っていただく形をとっています」

◆前後のページ | 1 | 2 3