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#32 日本フットボールリーグ 加藤桂三事務局長 インタビュー

日本フットボールリーグ事務局長・加藤桂三氏に聞く JFL新規入会審査の裏側

2013年度のJFLに所属した18チームのうち、優勝したAC長野パルセイロをはじめ、9クラブがJ3リーグへの参加が決定し、J2-JFL入替戦でガイナーレ鳥取に勝利したカマタマーレ讃岐のJリーグDivision2参入が決定し、合計10クラブがこのリーグから去って行く事となった。そして来季もJFLに残るのが、ソニー仙台FC、栃木ウーヴァFC、横河武蔵野FC、Honda FC、MIOびわこ滋賀、佐川印刷SC、ヴェルスパ大分(旧HOYO大分)、ホンダロックSCの8チームであり、12月4日に行われたJFL理事会にて新規入会が認められた6チームと合わせて、2014年シーズンは14チームでリーグ戦が行われることが既に決定している。

さて、来季からJFLの一員となるチームの顔ぶれだが、北からヴァンラーレ八戸(東北)、アスルクラロ沼津(東海)、マルヤス工業(東海)、ファジアーノ岡山NEXT(中国)、レノファ山口(中国)、鹿児島ユナイテッドFC※1(九州)の6チームに決まった。発表記者会見まで「全国地域リーグ決勝大会で決勝リーグに進出し、JFL昇格規定成績をクリアしたファジアーノ岡山NEXTと鹿児島ユナイテッドFCの2チーム以外の4チームがどうなるのか?」というところが多くの人の注目であったのだが、そんな中で発表された“残り4チーム”の顔ぶれは、ある意味で驚きでもあった。

大方の予想では、Jリーグ準加盟クラブとなり、全国社会人サッカー大会で優勝し、地域リーグ決勝大会にも出場したレノファ山口。そして地域リーグ決勝大会・グループリーグにて、2位となっていたサウルコス福井(北信越)、FC大阪(関西)の3チームが有力で、残り1枠を四国リーグ優勝のFC今治と、レノファ山口同様のJリーグ準加盟クラブでもあるアスルクラロ沼津が争っているのでは?という声が多かった。

だが、桑原勝義・日本フットボールリーグ理事長の口から最初に読み上げられたチーム名は、なんとヴァンラーレ八戸であり、前評判の高かったサウルコス福井もFC大阪の名前も最後まで読み上げられず、逆に昇格は難しいのでは?と思われていたマルヤス工業が入会を果たすという、驚きの結果が発表されたのであった。そんな予想外の審査発表があったからこそ、その真相を聴くべく、日本フットボールリーグ事務局長である、加藤桂三氏に昇格チーム選考についての話を伺った。

-J3構想が立ち上がった時に、来季のJFLをどうしようとお考えになりましたか?

加藤 今年の春に「J3が始まる」って話が浮上してきたじゃないですか? でもその時点では、私達の方ではJ3というリーグがどんな構成になるか全然分からなかったんですよ。J3が何チームになるかも分からないし、今JFLにいる18チームのうち、J3参戦の意思があるクラブが幾つあるのかも分かりませんでした。だからこそ、まずは今JFLに在籍しているクラブに対してヒアリングを行い、「J3参加希望なのか、JFL残留なのか」の意思確認を行いました。また、噂の段階で地域リーグからも何チームか(J3に)参戦するという話が出ていましたが、「全国地域リーグ決勝大会で今は4位まで順位を決めているけど、今年はそれだけじゃまずいかもね」なんて話も出てきました。

今の全国地域リーグ決勝大会は、12チームを3グループにわけて、各グループの1位となった3チーム+2位の中での最高成績チームを含めた4チームが決勝ラウンドを戦い、そこで順位をつけていますが、「もしかしたら今年の全国地域リーグ決勝大会で、上位に残ったチームのほとんどがJ3に行ってしまう場合もあるかも知れない」とか、事務局の方でも早い段階からいろいろ状況を考えてシミュレートして来ました。だからこそ、今年はやり方を変更するとか、総当たりとかにして「8位ぐらいまで順位づけした方がいいのでは?」という意見もありました。

ただ、そうなると大会のレギュレーションを変更することになるので、社会人(各地域リーグ)の方に変更の打診をしなければいけないし、大会日程やスケジュールの変更も必要になってくる。また、事務局側も参加チームの方も、ともに費用という面でさらに負担がかかってしまうので、いろいろ考えた結果として、この大会は例年通りのレギュレーションで行う事とし、上位3チームまでを昇格対象とすることを確認し、その上で現在JFLに在籍しているクラブがJ3に行ってしまった事により生まれる『補充枠』に対しては、前もって『入会希望届』を提出したクラブを『総合的』に判断して、来年度の参加チーム数に達する分(2014年度は14クラブでリーグが行われる)までのクラブを昇格をさせるという方向性でまとまりました。

※1 ヴォルカ鹿児島とFC KAGOSHIMAの合併チーム

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