#17 横河武蔵野FC 依田博樹 強化担当 インタビュー Vol.2
-J3構想は、日本代表やJリーグの発展に重きを置いている印象です。あまりアマチュアリーグに目が向いていない、軽視しているようにも映ります。
依田 やはり順番として、上(Jリーグ)が先なんですかね。まぁ『魅力的なアマチュア最高峰のリーグ戦を作ろう』という事が先になるのか?と言ったら、多分考えられないでしょうね。軽視しているかどうかは分からないですけど、『上を目指してくれる箱を作るから、皆そこを目指して来てね』という発想だと思います。ただ個人的には、『アマチュアの事をもっと考えてほしい』という気持ちになっているわけではないんですよ。
「どのカテゴリーだろうが、やれる所で全力を尽くす」
-では、どのような感情ですか?
依田 「今、置かれている立場でどうやっていくか?」という気持ちが強いですし、私自身にまだ戦略的思考が無いんでしょう。日本サッカー界がどう変わっていっても、「自分達がやれる所で全力を尽くす」という発想しかないと思っています。J3ができて、その下のJFLもしくは地域リーグとなっても、やれる所でやるという考えしかない。だから、あまり(J3を)気にしていないですね。
-それはとても大事な考えですし、『Jリーグを目指して当然』という今の風潮は危険な部分もあると思います。Jを目指した結果、クラブが無くなる事もあり得ますし、考え方を誤ると元も子もないですよね。
依田 老舗チームは老舗チームで良い所はあります。少なくともここ十数年は、JFLがJ2に対して色々と寄与できたと思うんですよね。2014年か2015年か分からないですけど、「一旦これまでの時代は終わり、また新たな方向に向かう」といった岐路の時期なんだと思います。我々はどこの立場になるかわからないですけど、「2013年からJ3を目指す」というスタンスは持っていないです。
-J3構想は今年に入って急に話が進んでいますが、以前からそういう話はあったと思います。当時と現在で、依田さんの見解に変化はありますか?
依田 あまりJ3を目標に考えていないですね。それは、我々が仕事とサッカーを掛け持ちをしているからかもしれないですけど、少なくとも今は目標にしたり、そこをモチベーションには全くしていないですね。
-以前から話はあった中で、他のJFLクラブの監督や関係者と何か話した事はありますか?
依田 それはないです。今年の年明けに1回、JFLとサッカー協会の人が(クラブ運営側に)説明に来たらしいんです。『J3はこういう方向で、JFLはこうで』という話があったんですけど、私が他のクラブの人と話した事はありません。
-J3が出来たとして、JFLに残る横河武蔵野FCに何かメリットはありますか?
依田 メリットはないんじゃないかな(笑) と言うより、「失う物も無ければ、得る物もない」。 私自身、あまり損得で考えられないんですよね。JFLも今、リーグ全体をどこまで盛り上げられるかは気にしているみたいですけどね。色々なチームが抜けて少なくなるので。そういう事は『JFLに残るチームと一緒に考えよう』とは思っているみたいです。ですが、得をする事は多分ないでしょうね。逆に損をする事もないですが。
-取り巻く環境(対戦相手、移動する場所)やルール・レギュレーションは変わりそうですね。
依田 そうですね、アウェイ遠征などのコスト面ですよね。後は試合会場だとかね。