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#3 スフィーダ世田谷FC 川邊健一監督インタビュー Vol.1

-地域の為に、と仰っていましたが、クラブが目指している事、積極的に取り組んでいる事は何ですか?

川邊 目指していくものは『この地域が一体になって応援してくれるようなクラブでありたい』というのが一番の目標です。その為には私達から地域の方達と積極的に関わらないといけないですし、地域の方達の為に色々と還元できるものがあるはずだと。

具体的には、清掃活動をさせて頂いたり、イベントに参加させて貰っています。地域の方達とコミュニケーションを図る事は、選手達が社会性や一般常識などを学ぶ機会として凄く大切な事です。サッカーチームだからといって、サッカーだけ教えていれば良いって時代では無くなってきたのかな、と思っていますね。

-地元や地域と一括りに言っても世田谷区自体が広いと思うのですが、まずは砧祖師谷地区から?

川邊 例えば(クラブ事務所がある)この砧祖師谷地区でも16万人が住んでいるのですが、16万人の街の方々に応援して貰えるチームと言ったら、それこそJリーグ規模の話になりますよね。だから私達はスフィーダ“世田谷”とは名乗っていますが、あくまで限定されたこの商店街の地域を、まずターゲットに絞ってます。それから少しずつエリアを広げていこうかなと思っています。

「サッカーだけ教えていれば良い時代では無くなってきたと思う」

-サッカーだけでなく、地域の方とのコミュニケーションを通して人間形成も大切にしたいと。

川邊 なかなか学校教育でそういうところまで突っ込んで教える事が出来ないみたいですね。ある意味、私達のクラブは学習塾と同じようなスタンスですから、極端な事を言ってしまえば、サッカーが好きで通ってきて、嫌だったら辞めればいいだけなんです。公立中学校の義務教育とは違いますし。

ある程度の、そういった社会性を学ばせる為に、選手達に厳しく指導する時もあります。それが気に喰わないとか納得できないなら、嫌であれば辞めればいいだけの話ですから。その中で我々が教えていけるもの、学校では教えられないけれど私達だからこそ教えられるものが必ずあるので。そういった事はきちんと伝えていってあげたいと思っています。まぁ、私自身がそんな偉そうな事を言える人間でもないんですけど(笑)

-地域での活動、清掃活動やサッカー教室はいつ頃から始められたのですか?

川邊 Lリーグに昇格する為の法人格を取得してからですね。まず、2007年にNPO法人スフィーダ(※1)として新たなスタートをきったわけですが、すぐに私達からウルトラマン商店街(※2)にお話を持っていったんですね。

法人格でなければLリーグ参入できないという規定もありましたし、「私達はLリーグを目指すんだ」という事で法人格を取得しました。それと共に、近い将来に必ず地域との繋がりが必要になってくるし、選手達にも清掃活動やイベント参加を通して色々学べる機会もあるなという事で、すぐにお話を持っていきました。それからずっと『ウルトラマン商店街』をユニフォームの胸に付けて戦うようになりました。

-地域への活動は選手達も納得して、積極的に参加しているのですか?

川邊 もちろんです。まず最初は(クラブを)知って貰う事が一番重要ですし、ウチは誘われたイベントは基本的に断らず、試合や練習といった予定が入っていない限りは全部参加するようにしています。

※1 クラブ運営母体となっている法人名(参照リンク 特定非営利活動法人スフィーダHP
※2 小田急線祖師谷駅周辺の3つの商店街の総称(参照リンク ウルトラマン商店街HP

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