#3 スフィーダ世田谷FC 川邊健一監督インタビュー Vol.1
-地元・世田谷から選手は集まったのですか
川邊 最初の頃は地元の子達が中心でした。世田谷区外は1名くらいしかいなかったと思います。
-中学生だけのチームで東京都女子サッカーリーグに出場したのですか?
川邊 中学生以上なら一般社会人の大会にも出られるので、東京都女子サッカーリーグ3部は成人女性のチームばかりでしたが、そこに中学生のチームで出ていました。
-スフィーダ設立当初からLリーグ(現・なでしこリーグ)を目標にしていたのですか?
川邊 最初に作った時は「Lリーグに行きたい」とは思っていなかったのですが、2002年以降からチームも強くなってきて「クラブが最後に行き着く所はどこなのか?」と考え始めた頃から、ずっとLリーグを意識してやってきました。もちろん選手達を育成していきながらですが、勝利に拘りつつやっていかないと本当の育成に繋がらないと思ったので。それで「最終目標はLリーグだよ」と選手達に提示してあげたら「行く!行く!!」って、まぁ当時彼女達も中学生ですから「何ですか、それ?」ってレベルなんですけど(笑)常にそこは意識していました。
「各年代に適した目標設定が必要だった。なでしこリーグは着地点。」
-競技志向で上のカテゴリーを目指す事で、辞めてしまう選手もいたのでは?
川邊 当然いましたね。もともと2001年にクラブを作った時、1年目のコンセプトに『(世田谷という)地域の為に』というのがありました。もちろんチーム作りを進めていく中で、サッカー未経験者がチームに半分いようが何だろうが、やはり勝つという事や、その年代の子達に適した目標は設定しなければいけないです。
例えば、設立当時(第1期生として)中学1年生で入ってきた子の中で、キャプテンのDF田中麻里菜は唯一(スフィーダで)ずっとやってきているんですね。中学生の時は中学生の目標があって、高校生の時は高校生の目標をちゃんと用意してあげるんです。でも、「この子達が社会人になったらどうなるの?」という事がずっと頭の中にあって、その答えがLリーグだったんですね。やはり社会人でサッカーを続けるとなればLリーグしかないので、中学1年生で入ってきた子達が育っていった時に、このクラブに残るかどうかは分からないけれど、最後の着地点は用意したいと思っていました。
-各年代、年齢に沿った目標、着地点に導いてあげられるように、と。
川邊 中学生は中学生の大会でベストを尽くして勝つし、高校生は高校の大会でベストを尽くすし、その階段は登っていくんですけど最終的なステージはLリーグだと。今ちょうどDF田中麻里菜が社会人1年目で、2011年がクラブ設立から10年目なんですけど、10年間でLリーグに行くというのが一番大きな目標でした。それは達成できたので良かったかなぁと。まぁギリギリだったんですけど(笑)