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#22 今季J3リーグの行方とJ2昇格争いを占う一戦

前半は20分過ぎから長野に押し込まれ気味だったが、最後のところはしっかり抑えており相手に決定機は与えていない。後半になると、左サイドでのコンビネーションから再々の突破をみせて決定的なチャンスを作ったが、得点には至らず。終盤、疲れからか玉際での粘り強さや攻撃時の思いきりが薄れてきたが、この辺りは相馬監督が今後トレーニングに取り組む事で改善を期待をしたい。

一方、昨シーズンのJFL優勝チームの長野は、主力選手を中心に継続したチーム強化が見受けられる。美濃部監督2年目は、J2で戦うに相応しいチーム作りと采配に注目したい。この試合でも、後半のFW三根の投入が流れを変えるキッカケとなった。身長190cmという高さだけが武器ではなく、足元の技術もしっかりしており、個人技で相手をかわす事でチャンスを作っていた。こちらも、この長身FWが戦力として使える目処がたった事は大きな収穫だと思われる。

スコアレスドローで終わった昇格候補同士の直接対決だが、両チーム監督ともに、試合後の記者会見()でピッチの状態について言及しており、ボールが回らないピッチでの戦い方に、細心の注意が払われた手堅い試合となった。

長野は「今シーズンの基本システム」と美濃部監督が言っていた4-2-3-1ではなく、ピッチの状態を考慮してFW宇野沢・高橋を縦ではなく、横に置く2トップに近い4-4-2を採用し、「ビルドアップからの受け手を増やし、相手のセンターバックに対してのプレスを掛けやすくした」と試合後にコメントしている。

町田にしても、相馬監督は「ピッチが悪い為に、セカンドボールを拾う事が両チームにとってキーポイントになっていた」とコメントをしており、両チームにとってコンディションが悪いピッチで発生する不測の事態を防ぐ為のリスクコントロールを重視していた事が、スコアレスドローという結果を生んだと思われた。

今後のリーグ展望~J2リーグに劣らないピッチ上の戦いがある~

シーズン序盤に昇格争いのライバルを相手に戦うのは非常に難しい。ここで大敗すると、この時点でシーズンが終了する可能性すらある。しかもピッチコンディションは最悪と、緊張感抜群の試合だった。

点が入らず硬い試合とはなったが、戦術的にもサッカーのレベル的にも、J2リーグにも劣らない高度なレベルの試合ではあった。しかし、この好カードに集まった観客が3416人というのは寂しい限りである。もっと多くの方に野津田に足を運んでもらい、FC町田ゼルビアの試合を見て頂きたいと思う。

相馬監督が記者会見の冒頭に、「多くの方が来てくれたことに感謝したい」と言っていた事を考えると非常に残念だ。

今後のFC町田ゼルビアのホームゲーム。とても可愛いマネージャーに会いに行くのもオススメです!

(了) 文・編集部 I・H

最終ページに両チーム監督コメント掲載

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