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#10 東京23FC 中盤の支配者

東京のフットボールに関する様々なイシューをコラムで綴る「FOOT ISSUE」
第10回は2年連続全社優勝を目指す、関東リーグ1部昇格間近の“東京23FC・中盤の支配者”のオハナシ。

東京23FC 中盤の支配者 猪股聖哉

今年8月に行われた東京都サッカートーナメント準決勝。東京23FCは専修大学を下し、決勝進出を決めた。下馬評は専修大の方が高かった。レギュラーメンバー3人が不在だったとはいえ、大学王者の実力はダテではない。実際、専修大は破壊力のある攻撃でチャンスを作り続けた。だがそれでも、試合終了のホイッスルと同時に歓喜に沸いたのは東京23FCだった。

チームにリズムにもたらす背番号8

MF猪股聖哉は言う。 「相手は学生の強豪で、運動量とテクニックがある。うちは、しっかりゲーム運びをしていこうと話していました。押し込まれる場面もあったけど、そこを耐えてチャンスをモノにしていこうと」

ボールは支配されていたものの、チーム全体で守備のタスクをこなし無失点に抑え込む。そして、好機を見逃さず2点を奪った。試合をコントロールしていたのは東京23FCの方だった、という見方もできる。試合運びの上手さが勝利に結びついた。

この試合で目立っていたのは、2ゴールを挙げたFW山本恭平や、相手の強力な攻撃陣を封じた守備陣かもしれない。猪俣は気の利いたパス出しや中盤のプレッシング、攻守にわたりチームの勝利に貢献した。ゲームをコントロールする事は、米山篤志監督からも求められているタスクだ。

「監督からは、チームにリズムをもたらして、試合を支配する為の“軸”になるよう言われています」

監督の求めることを理解し、ピッチ中央で攻守にハイレベルなプレーを披露している。だが、「まだまだミスも多いし、判断も遅い」と本人は満足していない。米山監督は猪股を評価しているからこそ、チームの軸になる事を期待している。

そんな指揮官に対し、猪股も信頼を置いている。「選手の事をよく見てくれているし、特徴を引き出してくれる監督だと思います。一緒にやっていて楽しいですし、やりやすい」

米山監督からの言葉で印象に残ったものを一つ挙げてもらった。

「本当に沢山あるんですけど(笑)。ほとんどの指導者の人は、パスはインサイドで蹴ろうって言うと思うんです。今まで僕がお世話になってきた指導者もそうでした。でも米山監督は『アウトサイドの方がドリブルの延長でそのままパスが出せるから、そういうプレーもありだ』と言います。こういう事を言われるのは初めてだったんですけど、イニエスタやメッシを見ていると彼らもそういうプレーをしていたので、確かに監督の言う通りだなと」

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