TOP>>コラム>>column ほっつき歩記>> 第26回 変わりゆくサッカーメディア
kaieda

第26回 変わりゆくサッカーメディア

どうする、サッカーダイジェスト

さて、ライバル誌の『週刊サッカーダイジェスト』(株式会社日本スポーツ企画出版社、以下ダイジェスト)は、ここでどう出るのか。私は、かつて東京ヴェルディの担当を務めたBさんに「ほんの軽い気持ちで話を聞かせてもらえませんかね」と相談を持ちかけた。すると、Bさんが同期のAさんをうまいこと誘いだし、場を作ってくれた。

というわけで、以下はふたりの対談形式でお届けしよう。さあ、どうなる、どうする、ダイジェスト!

――まず、マガジンの月刊化について率直な感想を聞かせてください。
A 「複雑ですね、非常に。世間ではサッカーメディアは斜陽だ、つまんないから売れないんだと言われてますけど、マガジンさんが月刊化に踏み切った要因はそれだけではないでしょうし。当事者でなければわからない会社の事情もあると思います」
B 「ライバル誌がなくなるのは、業界全体にとって痛い」
A 「そっちのほうが大きいね」
B 「内容を見比べられるのは、選択肢があってこそですから」
A 「我々としても衝撃は大きい。これまで一緒にやってきて、その影響がどう出るのか。一方ではチャンスでもある。ただ、本当にチャンスになるのか。ひと月、ふた月で何らかの結果が出るのか、それとも1年かかるのか。しばらく状況を見なければ、わからないです」

――マガジンの誌面は常に意識していましたか?
A 「もちろん。それはお互いさまじゃないですか。ひそかに注目していた選手のインタビューを先にやられた、面白い企画をやってるなと感心させられたり、この特集は結構売れるんだ、読者の反応がいいんだと参考にしたり。それができたのはライバル誌があったおかげです」

――マガジンの月刊化により、紙媒体のサッカーメディア全体に雪崩現象が起きるのではないかという声が聞かれます。
A 「うちは週刊をやり続けますよ。それは大々的に書いていただいて結構です」

――おっと、やる気満々じゃないですか。てっきり、いずれ足並を合わせるつもりかと悲観していました。
A 「そういう話は出てないですね。もっとも、さきほどお話した通り、状況をじっくり見なければ会社としても判断できない。サッカーに限らず、出版界が苦しいのは間違いないんですよ。そのなかで試行錯誤し、時代に合わせて変えていこうとしています」
B 「読者がどんなことを求めているのか。『コレがいいんだ!』と大上段から振り下ろす誌面作りはしてないつもりだよね」
A 「振り下ろしたら、途端に売れなくなる」
B 「何でもかんでも売れればいいんだとは思わないけど、売れるということは評価とイコール。ポリシーがないとかではなく、楽しんでもらえるものを作りたい」

――近年、読者のニーズは変化していますか?
A 「以前と違うとすれば、オピニオン的なものを求められていないかな。インターネットを通して、好きなことをダイレクトに言い合える時代。昔はそういう場がなかったですからね」
B 「たとえば、お金の号は好評でした。あ、こういうのもイケるんだと。おかげで年1回の定例企画になっています」 特集『サッカーとお金の話』NO.948/2008年5月13日号。
A 「企画色の強いものが売れることもある。一方、週刊誌としては時勢に沿ったものもやらなければいけない。そのあたりの加減はむつかしいです。また、ひと括りにJリーグのファンといっても、現在は細分化されています。昔より全体の情報量が多く、欲しい情報が手に入ればいいという考えの人も増えている。いくら浦和レッズのファンがたくさんいるといっても、それをアテにはできない。独自のネットワークを持つ彼らに届けるには、作り手がいままで以上に工夫しなければ手に取ってもらえません」

◆前後のページ | 1 2 | 3