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#19 ゼルビア太田康介 『常に向上心を持ち続けるキャプテン』


2009年といえば、横河がクラブ史上初めてJFLで2位に入ったシーズンだ。これ以来、横河は“Jの門番”という異名をとるようになった。その年、ダブルボランチとしてチームの躍進に貢献したのがこの2人だった。それから約4年。太田は、後輩の成長ぶりに目を細める。

「今の横河になくてはならない存在だと思います。リズムを作るという意味では、2009年に入団した時から既に出来ていました。今はそれにより磨きがかかった印象で、本当に堂々とプレーしている」

不動の司令塔に成長した岩田の成長を喜びながら、太田はこう言う。

「彼は社員なので、横河で選手人生を終えると思うんですけど、上(のカテゴリー)で見てみたい選手の一人ではあります」

古巣への感謝を忘れない

ゼルビアはJFLクラブながら、全員がプロ契約。横河は横河電機の社員選手と、他に仕事を持っている選手や大学生で構成されている。社員ではない選手は、横河で成長しステップアップしたいと考える。昨年まで監督を務めた依田博樹強化担当も、「そういう気持ちでウチに来ていると思う」と話していた。その中でも太田の向上心は別格だった、と依田強化担当は振り返る。

「ココからのし上がっていこうという、ギラギラしたものがないといけない。太田はギラギラしていましたからね。それがあったから、ここまで出来ているんだと思います」

横河時代は、非社員選手が代々働いている酒屋で、配達の仕事をしていた。「めちゃめちゃ鍛えられましたよ」と当時を懐かしむ。他に仕事を持ちながら常に上を目指す事が出来たのも、横河というチームの環境に依る所が大きかったという。

「ガムシャラにやっていたというか、やらせてもらっていた部分が大きいです。依田さんもそうですし、今スタッフにいる池上(寿之)さんや立花(由貴)さんとはプレーヤーとしてやってきて、僕がやりやすい環境でやらせてもらっていました。活き活き出来た部分が大きいんじゃないかと思います」

今の太田があるのは、彼自身がそれだけの向上心を持って日々を過ごしてきたからだが、横河というチームが太田の力を最大限引き出したとも言える。そんな古巣を、太田は自らの原点だと語る。

「いつ思い出してもそうなんですけど、僕が横河でプレーした時に得た物は本当に大きい。サッカー選手としても、人間としても、成長出来た3年間でした。今ここ(ゼルビア)でやらせてもらえている環境が当たり前じゃない、と。感謝しています」

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