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#19 ゼルビア太田康介 『常に向上心を持ち続けるキャプテン』

ゼルビアは現在、J2復帰を最大目標に戦っている。仮にJ2に復帰出来なくても、新設されるJ3リーグに参加する。よって、JFLに残る横河との対戦は、恐らくリーグ戦では最後になる。2つのクラブを知る彼は、この対戦をどのような思いで迎えたのだろうか。

「チームとしてはそれどころじゃないというか。監督が代わって立て直さないといけない大事な時期なので、そちらに気が向いている部分は大きいですね」

ゼルビアのキャプテンである太田にとって、今のチーム状態について頭がいっぱいになるのは仕方のない。今年で31歳。チームでも年長という事もあり、置かれた現状を第一に考えるのも当然だ。それでも、試合中は思うところがあった。

「スタッフも含めて知っている顔が沢山いました。最後の対戦になるかもしれないという事で、噛み締めながらじゃないですけど、やはり意識はしていましたね」

横河で、選手としても人としても成長した太田は、ゼルビアのキャプテンとしてチームを立て直す責任を感じている。後期はまだ1勝も挙げられておらず、第20節を終えて首位・カマタマーレ讃岐との勝点差は10にまで開いた。状況が厳しいのは言うまでも無いが、それを悔やんでも仕方がない。

今、チームに最も必要なのは“向上心”ではないか。試合に出ている者は現状に満足せず勝利を目指す。試合に絡めていない者は、自分に足りないものを見つめ研鑽の日々を過ごす。そうした一人ひとりの積み重ねが、結果に繋がっていく。その意味でも、太田の振る舞いは見習うべきものが多いはずだ。前期は出場機会に恵まれなかったが、そこで腐っていたわけではない。

「プレーヤーとして貢献出来なかったのは本当に悔しい日々でした。でも、その中にも得る物はありました。客観的にゲームを見る事で、自分の考え方を整理出来たり、色々なものを見つめ直す良い機会でした。今は試合に出ている立場として、いつまで出られるか分からないですけど、ずっと出続けられるように向上心を持ってやらないとな、と改めて思いました」

試合に出られなくても、得る物はある。だからこそ、試合に出た時は持てる力を全て出そうと思える。太田のようなマインドをチーム全体が更に強める事が出来れば、FC町田ゼルビアは少しずつでも良い方向に向かえるのではないだろうか。

(了)

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