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連載コラム開始 『町田でお待ちだ!』 第1回 町田はJに戻れるのか?

町田はどうやって浮上したのか?

もちろん楽にJ2へ帰還できるほど、JFLが甘いリーグだとは思っていなかった。22枠というJ2の“定員”が埋まった今、昇格は最大でも2チーム。自動昇格をするには、優勝が条件となる。17チームのライバルの中には、予想以上の伸びを見せるチームがあるに違いない。そう思っていた中で、更にプレシーズン、開幕直後の芳しくない戦いがあった。だから4月のはじめ頃まで、私は町田の昇格に太鼓判を押せなかった。

状況が変わりはじめたのは、第5節のHOYO大分戦だ。前半はシュートがゼロという不甲斐ない展開だったが、75分にFW岸田が決勝ゴールを挙げ1-0で勝利。そこから町田は一気に6連勝を遂げ、順位も第11節・FC琉球戦を終えた時点で、長野を抜き、カマタマーレ讃岐に次ぐ2位まで浮上している。まず形ができたのは守備で、攻撃も連動してボールを細かく動かす連携が、徐々に出せるようになってきた。相模原、藤枝、横河とプレシーズンで敗れたチームにも、きっちり勝ち点3でリベンジ。特に5月1日の第9節・藤枝戦はパスワークで完全に崩す場面を再三作り出して、3-0と快勝している。

秋田監督の采配を「全くの無策」と腐した対戦相手の選手がいるそうだが、私は決してそう思わない。戦術面であえて批判するとするなら“欲張り過ぎ”な部分だろう。「色々なオプションを持つ」という秋田監督の考えもあり、町田の試合運びはパワープレーあり、細かい崩しもありと、分かりやすい形がない。実は崩しの形などでチームに入れ込んでいる部分はあるのだが、秋田監督が選手に要求することはあくまでも“適時適所”のプレー。町田は徐々に相手の出方を見て、柔軟に戦い方を変える“横綱相撲”ができるようになっている。

11節の琉球戦は3-4の惜敗で、後半にパワープレーで追い上げる展開だった。ただ町田はパワープレーしかないというチームではなく、前半の不用意な2失点が無ければ、ボールを動かして相手の隙ができるのを待つ試合運びをしていただろう。

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