#4 2012シーズン序盤を振り返る~FC町田ゼルビア編
東京のフットボールに関する様々なイシューをコラムで綴る「FOOT ISSUE」
第4回は「2012シーズンの序盤を振り返る」~J2・町田ゼルビア編~です。(#3 東京ヴェルディ編はコチラ)
パスサッカーは通用している
J2・FC町田ゼルビアの険しい道が続いている。それもそうだ、簡単な冒険などない。しかし、光の見えない道のりを歩んでいるわけではない。
ゴールデンウイーク中の連戦も一段落し、リーグ戦の3分の1程度を消化した。ここまで14節を終えて、FC町田ゼルビアは3勝2分9敗の20位。苦戦を強いられているのは間違いないが、Jリーグ初挑戦ということもあり、そこは織り込み済みだろう。
試合内容に目を向けると、主導権を握る時間も多い。新しいステージで四苦八苦しながらも自分達のサッカーを発揮し、清々しさすら残るゲームを展開している。JFLからJリーグに舞台を移した今シーズンも、ゼルビアの代名詞であるパスサッカーは健在。速いテンポでボールを回して主導権を握る。
今シーズンから就任したオズワルド・アルディレス監督の下、チームは着実に成長を続けている。サイドバック、ウィングバック、更にセンターバックもこなしてきたDF津田和樹が、ここまでを振り返る。
「最初は結果が出なかったが、試合を重ねるごとに目指すサッカーができるようになった。」
Jのレベルに適応しつつあるが、自信を失ってはいけない
もちろん改善すべき点もある。大きく分けて2つあげてみたい。1つは、JFLとJリーグの違いに慣れる事。豊富な運動量でピッチを走り回るダイナモ、MF柳崎祥兵はこう説明する。
「一歩が違う。JFLの時は、僕が中盤から飛び出すと相手は遅れてついてこられなかった。でも、J2はそこで追いついてくる。例えばヴェルディ戦では、良い形でシュートを打てたと思ったら、次の瞬間には跳ね返っていた。そこで相手が寄せてきていたんだと分かった。」
4/1の第6節・東京ヴェルディとの『東京クラシック』。あの試合でゼルビアは、東京Vの真骨頂であるポゼッションで、相手を上回る時間を作った。結果的に敗れはしたが、自分達のサッカーに自信を抱かせる内容だった。しかしディテールを振り返ると、“一歩の違い”、“ボールへの執着心”という部分で、Jリーグレベルを痛感した試合でもあった。
柳崎は、4/22の第9節・ヴァンフォーレ甲府戦での経験も付け加える。「飛び込んでヘディングしようとした時も、僕の中では『キタ!』と思った。でも、きっちりマーカーにつかれていた。」
こういった差は開幕当初は、如実に出ていた。ただし、毎週末のリーグ戦を戦うことで、Jのレベルにもアジャストしていっている。
DF津田が言葉に力を込める。
「最初はプレスに戸惑ってボールを蹴ってしまうことが多く、自分達のサッカーができなかった。でも、少しずつ個人個人が流れを読めるようになった。相手のプレスは早いけど、徐々に良くなっている。」