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#4 2012シーズン序盤を振り返る~FC町田ゼルビア編

もう1つの課題は、いかに自信を持ち続けられるか、ということだ。

ゼルビアは第5節・京都サンガF.C.戦から第10節・松本山雅FC戦まで1分5敗と、白星から見放された。特に第5節から第8節までは4連敗。どん底で迎えた第9節・ヴァンフォーレ戦で、アルディレス監督は3バックの導入を決意。守備の安定を図った。

この試合に向けた4月20日の練習後、指揮官は「週末も今日の感じで戦いたい」と、一定の評価を下している。そして、迎えた試合では、相手の強力2トップを軸とした攻撃に苦しみながら、ドローに持ち込み勝点1を獲得した。アルディレス監督も「負けなかったことは心理的に大きい」と、この結果に価値を見出した。ところが、翌節の山雅戦では0-1でJリーグ同期対決を落としてしまった。アルディレス監督は、選手達から自信が失われているのではないかと心配した。

それでも「徐々に良くなっている」という津田の言葉通り、“戻るべきスタイル”があるゼルビアは、自分を見失うことはない。第13節・カターレ富山戦の前半などは、自信を持てる試合だった。

DF津田はこう振り返った。

「目指すサッカーができたと思う。今は下の順位にいるが、ああいうサッカーを90分間続けられれば、上がっていけると思う。悲観はしていない。」

3バックを導入した時期もあったが、その時も守備は前線からのプレスを基本としていたし、ボールを持てば速いテンポでパスを繋ぎ、ゴールを目指した。

連敗で苦しむ時期に、自信を失いかける事があったかもしれない。そして今シーズン中に、再び訪れるかもしれない。それでも、日々の練習に励み、自分達のサッカーに自信を持ち続けられれば、きっと困難も乗り越えられるだろう。

オジーの下で選手達はもっと伸びる

オジーの目指すチーム作りは発展途中の段階だ。「まだ私の要求の全てを、選手達ができているわけではない。」というアルディレス監督の言葉は、チームの更なる成長を示唆している。

連戦明けの第14節・ジェフユナイテッド千葉戦では、1-6の大敗を喫した。再び選手達の自信に傷がついたかもしれない。しかしJ2初挑戦のゼルビアにとって、対戦相手は格上ばかり。大敗の原因検証は必要だが、深く考えすぎずに切り替えることも大事だ。

自信を持ち続けられるか。正念場かもしれない。

ただ、クラブの哲学や目指すサッカーの方向性、そしてサポーターの存在を含めたチームの一体感は、Jの先輩達にもなんら劣っていない。信じた道を突き進めば、必ず歓喜は訪れるだろう。

(了)

(取材・文 青木務)

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