『町田でお待ちだ!』 第6回 厳しい状況で迎える首位・2位との連戦
第6回 厳しい状況で迎える首位・2位との連戦。選手達の想いは?
勝点差9 20戦無敗の首位・長野との対決
FC町田ゼルビアはJ2に復帰できるのか?突き詰めると連載の初回から、自分は同じようなことを書いてきた。この戦力、このサッカーなら可能だろう。それが私の一貫した答えだった。
しかし状況は明らかに厳しくなった。リーグ戦の6試合を残して、4位・町田と首位・AC長野パルセイロとの勝点差は9。2位・カマタマーレ讃岐との勝点差が8。さしあたっての最低目標である2位以内が、かなり難しい位置にいる。
9月14日のリーグ戦再開からのアウェイ3連戦で、町田が上積みした勝点は3に止まった。10月6日の第28節・栃木ウーヴァFC戦こそ3‐1で勝ったが、相手は最下位のクラブである。一方、これから残り6試合で対戦するチームは上位勢ばかりで、特に今週末、来週末と続く連戦は剣ヶ峰と言っていい。10月20日の第29節は首位・長野、26日の第30節は2位・讃岐との対戦が待っているからだ。しかも勝点差を考えれば、町田にとって連勝はノルマに近い。
20日に対戦する長野は、JFLの今季ベストチームだろう。彼らが公式戦で最後に負けたのは4月28日の藤枝MYFC戦(JFL第8節)。そこからのリーグ戦は、20戦負けなしである。天皇杯でもJ1・名古屋グランパス、J2・ギラヴァンツ北九州を退けてベスト16入りを決めた。宇野沢祐次は18得点でJFLの得点ランキング首位を独走。美濃部直彦監督が、薩川了洋氏の退任や向慎一の町田移籍から生じた暗雲を、吹き飛ばすようなチーム作りに成功している。
「自分達はJ2で戦う為のサッカーをやっている(庄司)」
こういう強敵から結果をもぎ取るために、どう戦えばいいのか?例えばJFLの下位チームが町田を相手にする時のように、後ろに引いてスペースを消す戦い方もある。普段のつなぐサッカーを捨て、ロングボールを多用する方法もある。しかし庄司悦大はこう言う。「テレや孝司に当てて、セカンドボールを拾って攻撃するというパターンもあると思うけれど、それは先がない。自分たちはJ2で戦うためのサッカーをやっている」(庄司)。
そして個人的な意見と前置きしつつ「しっかりつないで、自分たちで判断して崩す攻撃をして勝っていかないと意味がない。いい内容で勝つことを目指してやっていく」(庄司)と続けた。聞いているこちらが驚くほど、はっきり確信を持った口調だった。