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『町田でお待ちだ!』 第6回 厳しい状況で迎える首位・2位との連戦

庄司は「紅白戦などを見れば、いいリズムでボールの回っている時間は増えている。チーム全体で距離感の意思統一もできている」とチームの進歩を口にする。問題はそれを試合で出し切っていないところだ。例えば「今日(栃木ウーヴァ戦)の前半とかは、みんなが固くなってボールを受けに行かなくなり、距離感が遠くなってしまった」(庄司)。だからこそ大事なのが平常心だ。「勝つことを意識しすぎて、力んでボールを受けるのが怖くなってしまったら、このサッカーは機能しない。全員が連動してボールを動かすからスペースが空く。裏に誰かが走るから自分のところが空く。スペースを感じるということが、このサッカーでは一番大事だと思う。だから力まないでやっていきたい」というのが、庄司の終盤戦に向けた思考だ。

「自分達のスタイルを崩さずやっていく(鈴木)」

JFLの得点ランク2位と成長を見せているFW鈴木孝司だが、彼も再開後の3試合は苦しんだ。第25節・Honda戦でビッグチャンスを外し、第26節・HOYO大分戦はスタメン落ち。アウェイ3連戦の2敗について「内容は良くても、自分が良くなかったことがすべて」と自らを責める。しかし「自分を見つめ直すことができた。一回スタメンを外れたことが大きかった」とも言う。

そしてその言葉を、栃木ウーヴァ戦の2得点で彼は証明してみせた。鈴木は「自分たちのスタイルを崩さないでやっていけば問題ない。チャンスは絶対にあるので、自分が決めるところを決めればいい。集中力、試合に賭ける気持ちで大きく変わってくる。(布陣を)コンパクトにして戦えば、全く問題はない」と想いを言葉にする。

「僕らは勝ち続けるだけ。やるしかない(太田)」
「気負わず、チャレンジャー精神で(相澤)」

もちろん讃岐と勝点8差、長野と勝点9差という立ち位置は厳しい。キャプテンの太田康介は「やるしかない状況」とチームの置かれた立場を表現する。勝点差について問うと「僕らは勝ち続けるしかないので、そこに意識はあまり向いていない」と退ける。選手が今やるべきことは勝ち点の計算でなく、勝ち続けること――。開き直りかもしれないが、結論はそこに落ち着く。最終的には“他力”の助けも必要だが、そこは神様にお任せするしかない。

「チャレンジャーなので、気負わずに1試合1試合挑んでいく」。そうチャレンジャー精神を強調するのは、GK相澤貴志。プロ生活14年目のベテラン相澤は「讃岐はライセンスも交付されて、逆にプレッシャーがかかっていると思う」とも指摘する。今まで町田はJ経験を持ち、J2復帰を至上命題にするクラブとして、ある種の重荷を背負ってきた。今季のJ2ライセンスがない長野はそれと無縁だが、来季のJ2入りを目指す讃岐は、目指すものが現実に近づいたことで、今までにない重圧を受ける――。

ともあれ町田は自力でできることを、地道に続けるしかない。平常心で、気負わずに自分たちのサッカーを続ける――。それが残り試合に向けた、選手たちの意志である。

(了)

(著者プロフィール)
大島和人(おおしま・かずと) 1976年生まれ。“球技ライター”の肩書で、さまざまなボールゲームを取材(見物?)している。主な寄稿先に『エルゴラッソ』『サッカーマガジン』など。12年にはJ’s GOALのFC町田ゼルビア担当としてJ2初年度の戦いを追い、併せて町田市に転居。今年も引き続き地元クラブの取材を続けている。

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