#24 日テレ・ベレーザとスフィーダ世田谷FC 3/16親善試合レポート
3/16(土)清瀬市・下宿第三運動公園サッカー場にて、「多摩・島しょスポーツ振興事業」として日テレ・ベレーザとスフィーダ世田谷FCの親善試合が行われた。
マッチプレビュー
~スフィーダ世田谷FCが1年間でどこまで成長したかを示す~
昨年のリーグ開幕前に同会場で行われた親善試合では、日テレ・べレーザが0-9と大勝し、スフィーダ世田谷FCは力の差をまざまざと見せつけられ、日本トップクラスとの距離を途方もないものに感じたかもしれない。
しかし今年のスフィーダは、チーム全体のレベルが上がっており、既存の選手がこの1年で成長したのは言わずもがな、今季から新加入した面々はいずれも実力者揃いだ。選手数自体も増え、レギュラー争いも白熱している。
チーム始動時には、大黒柱のDF田中麻里菜でさえ「11人に入る事が簡単じゃない」と言っていたほどで、各々がアピールを続け、全体の底上げがなされている。リーグ開幕まで1ヶ月を切っており、そろそろスタメンの11人も見えてくるだけに、昨年とは違うところを見せたい。
一方、2012なでしこリーグカップ王者の日テレ・べレーザは、選手達のコンディションがまだ上がっていない。昨年はリーグ総得点44を記録したうち30ゴールは、永里選手、岩渕選手、伊藤選手が挙げているが、いずれの選手も移籍しチームを離れ、得点源の3人を一気に失った事で、攻撃は再構築中だ。スフィーダがベストの状態で戦えれば、去年よりも拮抗した試合に持ち込めるのでは、と思われた。
とは言え、ボールポゼッションに関してべレーザの右に出るチームはそうないわけで、ボールを回される事は覚悟しなければならない。そこで期待したいのが、前線からの連動したプレス。9日の早稲田大学とのTMでも、素早い追い込みからボールを奪ってゴールを生んでいる。選手間のイメージが共有出来ていれば、高い位置でマイボールにするシーンは作れている。
また今季は、DF田中麻里菜が前線で起用された場合にも注目したい。「センターバックをやった事で、ディフェンスが何を考えるているかわかるようになった」という田中(麻)は、センターバックでの経験をフォワードで活かす。そして、彼女のいないディフェンスラインがどこまでべレーザに対抗出来るか、その点も注目だろう。
「去年までは、麻里菜の動きを見ながらラインを上げ下げしていた」と、左サイドバックのレギュラー候補の永田真耶選手は語っていた。これまでのディフェンスリーダーが前線に移った事で、練習でも守備陣の連携確立に時間を費やしている。ラインコントロールなども「今年は結構やっている(永田)」と、練習で培ってきた事が日本トップクラスに通用するか。そんな今年のスフィーダ最終ラインの新リーダー候補が、新加入の臼井理恵選手だ。恵まれた体格と身体能力を持ち、『個』の勝負だけならべレーザの攻撃陣にも対抗しうる存在だ。
昨年チャレンジリーグ3位に入った事で、チームは一定の自信を掴んだ。なでしこリーグ(1部)昇格も、現実的に目標として捉えている。べレーザ戦は、自分達の現在地を確認する絶好の機会。去年の苦い記憶が頭にあるが、持てる力を全て出す意気込みで臨む。