#176 4/13 J3 第6節 FC町田ゼルビア vs ツエーゲン金沢
『東京偉蹴的 MATCH OF THE WEEK』 #176
J2昇格候補同士の戦い FC町田ゼルビア×ツエーゲン金沢
4/13(日)13時 町田市立陸上競技場
J3 第6節 FC町田ゼルビア 0-0 ツエーゲン金沢
J2昇格条件を満たしている2チームの決戦であるFC町田ゼルビアとツエーゲン金沢の対戦。試合当日は天気が良く、寒くも暑くもない、サッカー観戦にもプレーするにも絶好のコンディションとなった。
町田にとっては、前節に首位・グルージャ盛岡に敵地で圧勝し、リーグ首位に躍り出てのホームゲーム。金沢は前節は試合が無く、消化試合が1試合少ないが勝ち点7の6位。第4節にはY.S.C.C.横浜に快勝しており、この試合を勝てば首位が見えてくる状況の為、両チームとも「ここで勝てば今後を優位に進める」という気持ちが入った試合となった。
桜は散ってしまったが、試合開始前のスタジアム周囲には親子連れが多数訪れ、フードコートの人気店には長蛇の列ができていた。
また、フードコート近くの広場では、地元出身の歌手によるミニライブも行われ、試合後にはサポーター有志主催の花見(交流会)が行われるなどサッカーだけでなく、スタジアムに来てくれた観客に対して試合以外にも楽しみを提供するような試みが行われていた。
そんな素晴らしい雰囲気の中、キックオフを迎えた試合は、両チームが点を与えたくないという意識があった。両チームとも前節は快勝しているだけに、浮ついた気持ちを封じる為か、まずは守備の意識させてきた為か、硬い試合となった。また町田は、前節の盛岡戦で左SBの原田が怪我をしたため、この試合はDFラインの変更が余儀なくされており、ペ・デウォンを右SBに起用するなどこれまでの布陣とは異なる布陣をしていた事も影響していたはずだ。
試合後の会見でも相馬監督は、DFラインの並びについては、盛岡戦後の練習で様々な形を試したが、守備の安定だけではなく、ボールをうまく前に持ち出すことができるという点を考慮した結果、この布陣を選択したと話していた。このコメントからも、今期の町田の目指すサッカー(=相馬監督が目指しているサッカー)が垣間見られた気がする。要はボールを大切にしてDFラインからしっかりと繋ぎビルドアップをしながら相手を制圧するサッカー。これが相馬監督が目指しているサッカーだという事は、この試合でも町田の選手達がパスを大切している事からも予想できる。
試合中には、自陣ゴールに近いゾーンで無理にパスを繋げることに固執する為、そこを狙われてピンチを招いているシーンが何回か見かけた。しかし、ハーフタイムを挟んだ後半も相馬監督はその部分を修正せず、無闇にクリアすることはせず、最後まで同じやり方を押し通しており、このような姿勢は1年間戦い続ける為にはとても大きな財産になるでないか。