#168 11/17 関東社会人サッカー大会 2回戦 慶應BRB vs FC TIU
相手の執念に福田監督も「あっぱれ」
後半2分、CKのこぼれを甲斐がシュート。GKがブロックしたボールを回収し作り直す。そして右サイドから原田が良質なクロスを上げると、DF大山元輝が右足で合わせて43分を残して4点目を決めた。
試合後、福田監督は「2連戦の2戦目が大学生相手でしんどかった」と話した。この試合、簡単には終わらなかったのだ。
4点目が決まってから終了のホイッスルが鳴るまで、慶應はひたすら耐える事になる。走力の衰えないTIUに少しずつマークを剥がされ、自陣バイタルエリアで持たれてもボールホルダーへの寄せが遅れる。水際でピンチは防いでいたものの、ボディブローのように効き始めたのが20分過ぎだった。
25分、右CKを最後はDF布志木拓名が押し込みTIUが1点を返す。3分後には、FW渡邉威が右45度の角度からミドルを沈めて2点差に詰め寄った。後半立ち上がりまでに4点を奪われたFC TIU。しかし「意気消沈すると思っていた」という慶應・福田監督の思いをよそに、相手は時間の経過と共に勢いを増していった。
最後まで試合を捨てなかったFC TIUに対して、「あっぱれですね」と福田監督。そして、こう続けた。「諦めず勝ちに来てくれたから、僕らにとっては非常にタフで良いゲームだった」
だが、福田監督は“先”も見ていた。後半20分過ぎから防戦一方となった慶應だが、丁度この時間に守備の要であるDF冨田賢をベンチに下げている。
冨田は1回戦でイエローカードを受けており、もしこの日に警告を受けると、勝ったとしても準決勝には出場出来ない。サッカーは何が起こるかわからず、ましてや相手が勢いづいている時だ。球際の勝負で後手を踏めば、警告の対象となるようなファウルをしてしまう可能性もあった。
「冨田がいるといないとでは全然違うチームになってしまう。彼がいないと準決勝は勝てない」と、福田監督は絶大な信頼を寄せている。冨田が抜けた後に2失点したものの、選手達は粘り強く戦った。相手に圧倒される時間もあったが、タフなゲームを90分こなせた事は準決勝への糧となるはずだ。