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#157 9/29 東京国体サッカー成年男子 1回戦 東京都選抜 vs 北海道選抜

北海道の足は止まらず

リードして迎えた後半も、東京都のペースで始まった。ショートパスだけでなくシンプルにロングボールも送ったが、これは「山下が競り勝てていた事が大きかった」(漆間監督)。山下が前線で体を張る事で、周囲の選手は前を向いてボールに絡める。後半17分、MF中川靖章がフリーランから完璧なタイミングで抜け出すも、GKとの一対一は決めきれず。ここまでいくつかチャンスはあったが、奪ったゴールは1。

すると後半途中からは、北海道が攻勢を強める事となる。中盤の枚数を増やす事で数的優位の状況を作り、東京都を相手にパスを繋げるようになった。そして26分、セットプレーを粘って繋ぐと、最後はクロスをFW澁谷峻平が押し込み同点ゴールを奪った。

「同点に追いつかれたら、そこからが本当の勝負」。ハーフタイム、漆間監督は選手達にそう話していた。追加点を奪って試合を決める事が最良だが、仮に追いつかれた場合、そこで気落ちする事なく戦い続けなければならない。そんな意味を込めて伝えたのだろう。

試合は10分ハーフの延長戦に突入した。この20分間は、東京都が制圧した。MF関隼平のスルーパスにFW岡元思帆が抜け出して惜しいシーンを作れば、セットプレーのこぼれに反応した本橋が渾身のボレーシュートを放つ。延長後半には右サイドをMF加藤宏輝が抜け出し、ラストパスを中川が狙った。しかしいずれのチャンスも決める事が出来ず、勝敗の行方はPK戦に委ねられる事となった。互いに3人目まで決めて迎えた4人目。先行の東京都は、関が落ち着いて決める。東京都は延長後半終了直前に、GK寺地廉を投入していた。そしてこのベテランGKが仕事を果たす。北海道の4人目・DF三瓶宏樹の放ったシュートに鋭く反応し、ボールを弾き出して勝負あり。

「PK戦になったら寺地で行く」と漆間監督は事前に伝えていた。指揮官の期待に応えるビッグセーブで、試合は決した。初戦ならではの独特な緊張感の中、最低限の結果は手にした。スカウティングで手にしていた情報以上に北海道が粘ったものの、東京都が辛くも準々決勝に駒を進めた。

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