#127 6/30 チャレンジリーグ 第13節 スフィーダ世田谷FC vs HOYOスカラブFC
『東京偉蹴的 MATCH OF THE WEEK』 #127
6-0の大勝に浮かれる事なく、自分達のサッカーを更に高めなければならない
6/30(日)12時 味の素スタジアム西競技場
プレナス チャレンジリーグ 第13節
スフィーダ世田谷FC 6-0 HOYOスカラブFC
「前節の敗戦をきっかけにチャレンジしようと思った」 スフィーダ世田谷FC ・川邊健一監督はこの日、これまでの4-4-2から4-3-3へシステムを変更してきた。勝っている時に何かを変えるというのはリスクを伴う。だが敗戦の翌節という事もあり、指揮官はトライする決断を下した。
テーマは3人目の飛び出し。これまでも、パスを繋ぎながら他の選手が飛び出すというプレーはあったが、4-3-3はそういう攻撃がより出しやすい配置だと言える。中央に選手が集まりやすくなる為、細かいパスを回しながら味方のフリーランでスペースを突く狙いがより明確になる。川邊監督は「システムは所詮システム」と言うが、「4-3-3がやりたいサッカーには適している」と付け加えている。
試合序盤は「まったり」した展開となる
だが、試合の初めから狙い通りのプレーが出来たわけではない。立ち上がりは「ゆったり」(MF下條彩)とした展開だった。相手のプレスも緩く、一人ひとりがボールを持ってから次のプレーの判断が出来る状況だった。相手に付き合う形でスフィーダの攻撃は遅くなり、スピードアップするタイミングを見つけられなかった。前半8分、今シーズン初スタメンを果たしたMF小田加奈子が、ランニングからゴール前に持ち込むシーンを作った。
やるべき事は各々が理解していた。だが、「回す事にこだわってしまってゴールに向かえていなかった」とDF臼井理恵が振り返ったように、序盤はパスに意識が傾き過ぎていた。その臼井は仕掛けの意識が少ない事を感じ取り、自らダイナミックなプレーを見せる。14分、自陣左サイドでボールを持つと味方とのパス交換で前進。ワンツーを繰り返しながらゴール前まで侵入しシュートを放った。この辺りから、スフィーダが相手ゴールへ迫り始める。
そして36分、ようやく先制ゴールが生まれる。前線で小田が粘り、FW長澤優芽が繋ぐと下條が右足で相手GKの頭上を射抜いた。アディショナルタイムには、右サイドで受けた長澤が縦へ仕掛けてクロスを送る。これを森が頭で合わせて2点目を奪った。この場面を川邊監督は、「特に良かった」と評価する。