#123 6/15 なでしこリーグカップ 日テレ・ベレーザ vs ジェフ市原・千葉レディース
その後、ジェフLにフィニッシュまで持ち込まれる場面が何度かあったが、そこを耐えて迎えた40分、阪口のフィードに田中が抜け出すと、相手GKとの一対一を制し冷静にゴールへ流し込んだ。相手の最終ラインが高い時は、田中が3トップの中央に入る傾向がある。このゴールは彼女のスピードが見事にハマったシーンだった。
勝ちはしたが内容は改善の余地あり
2点リードで迎えた後半、ベレーザは相手ゴール前まで攻め込む回数が激減する。リスク管理をしながら試合をコントロールしたわけではなく、相手の圧力に押し込まれてしまったのだ。球際の争いに勝てず、ジェフLの猛攻を浴びた。とは言え、「集中して守れていた」とDF岩清水梓の言葉通り、守備陣の粘りと相手の拙攻もあり失点は免れた。
高精度のキックで前半の2ゴールの起点となった阪口だが、後半ラストにも仕事をする。アディショナルタイム、この日キレキレの木龍が左サイドを突破すると、クロスボールに頭で合わせて3点目を挙げた。
寺谷監督は阪口に対して、より相手ゴールに近い位置でのプレーを期待している。最後の得点はその期待に応えるもので、前半のプレーもまた阪口の真骨頂。3点全てに絡む、さすがのパフォーマンスだった。
だが試合そのものに目を向ければ、満足は出来ない。寺谷監督が「負けたような試合」と振り返り、阪口も「悪い印象」と苦笑いを浮かべた。勝利こそしたが、多くの時間帯でジェフLに押し込まれるなど、改善すべきポイントはある。悪い中でも勝ち切れたと捉える事も出来るが、「ボールをしっかり支配したい」と指揮官は言う。
ジェフL以外にも、ベレーザに対して前から勢い良くプレスをかけてくるチームはあるだろう。この日の試合は、圧力をかわせない場面が多かった。それをいかに打開し、攻撃に繋げられるか。ベレーザにとって、課題の残る試合となった。