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#109 3/31 東京カップ 決勝 エリースFC東京 vs FC KOREA

『東京偉蹴的 MATCH OF THE WEEK』 #109

常に優位に試合を進めたエリースFC東京が東京カップを制覇

3/31(日)12時30分 大井第二球技場
東京カップ 2次戦 決勝
エリースFC東京 2-0 FC KOREA


天皇杯・東京都代表予選にあたる、東京都サッカートーナメントの出場権を既に確保しているエリースFC東京。対するFC KOREAは初優勝を目指して気迫十分で臨んできたが、それに対抗しつつ次のプレーも確実に行ったのがエリースだ。

次の展開を想定しながら試合を進めたエリース

「個の局面でまず負けない事が、次の局面を決めていく」と、エリース・檜山康監督は話す。相手の激しいプレスにもファイトしながら、次のプレーにも迅速に移っていた。そして前半7分、相手のクリアミスをMF谷川烈が右足ダイレクトボレーで狙う。ゴール右隅の“ここしかない”というコースに突き刺し、エリースが先制に成功した。

エリースは守備の堅さも備えており、相手にチャンスを作らせない。KOREA・MF朴世訓も、相手の統制の取れた守りにやりにくさを感じていた。 「ディフェンスラインと中盤もしっかり引いて守るので、なかなか裏にスペースがなかった」

ボールは回せても、崩しの局面ではエリースのディフェンスが上回った。前半のKOREAは前線にボールが収まらず、左サイドのMF権載龍のドリブルに攻め手が偏っていた。KOREAは怪我人を抱え、昨年の司令塔だった李智星も移籍するなど台所事情は苦しい。

共に相手ゴール前で威力を発揮するMF朴とMF金載東がダブルボランチでスタートした事からも伺えた。それでも、「0-1でも悲観はしていなかった」と朴は言う。まずは同点に追いつこうと、金を前線に上げ、朴も前半より高い位置を取った。

天皇杯東京予選でのエリースの戦いに注目

しかし、後半もボールは回るがエリースの陣形は崩れない。エリースにとっては“攻めさせている”状況で、心理的にはむしろ優位に立っていた。エリースにとって最大のピンチは後半21分。この日初めてゴール前に侵入した朴にシュートを許す。しかしこれがクロスバーに救われ、スコアは動かず。すると6分後の27分、エリースがKOREAを突き放す。CKを相手GKがファンブルし、ボールをこぼすとDF藤森渉が押し込んだ。ピンチの後に訪れたチャンスをしっかりモノにしたエリースが、試合巧者と呼べる戦いを見せた。

結局2-0で勝利したエリースが大会王者に輝き、東京カップは幕を閉じた。エリースは東京都サッカートーナメントに進出する。「レベルの高い相手と戦える事は選手達の経験になる」と、檜山監督。どの社会人チームにも共通するが、エリースも仕事の都合で常にベストメンバーが揃うわけではない。むしろ集まったメンバーがベストメンバーとも言える。それでも、エリースは質の高さを保つ事が出来る。選手達の自助努力や監督を初めとするスタッフの工夫がある。限られた時間と戦力の中で、他のカテゴリーのチーム相手にどのような戦いを見せてくれるか。リーグ戦はもちろん、東京都サッカートーナメントでの彼らの戦いにも注目だ。

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