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#59 7/14 高円宮杯U-18プレミアリーグ 第9節 三菱養和SCユース vs 東京Vユース


猛攻のヴェルディが執念の同点弾

後半もヴェルディがボールを動かしながら試合を進めていく。前半よりも中島がボールを持つ時間が長くなった。これは持ち過ぎという事ではなく、ドリブルでの仕掛けが見られるようになったというポジティブな意味だ。前半から相手のパス回しに対応していた養和だったが、少しずつ付いていけない場面が見られるようになる。ボディブローのように効いていた。それでも、養和は味方同士で叱咤しフォローしながら一歩の遅れを埋めていく。

ヴェルディは確実にゴールに近づいていた。後半16分、DF安西幸輝のラストパスに前田が反応するも、これは枠を外れる。直後にも前田にビッグチャンス。裏に抜け出してシュートも、永井が立ちふさがった。養和の守護神が、ヴェルディの決定機をことごとく防ぐ。しかし、遂にGK永井の牙城が崩れる。35分、ペナルティエリア内で前田がシュート。これも永井がブロックするも、こぼれ球に反応したのは菅嶋だった。豪快に蹴り込み雄叫びをあげるストライカー。ヴェルディが同点に追いついた。

試合は1-1の痛み分けで終わった。互いに勝てるチャンスがあっただけに悔しさが支配しているかもしれない。しかし、見る者の心を動かすナイスゲームだった。両者とも技術は高い。守備に回る時間が長かった養和も、普段はもっと攻撃的なチームだ。そんなテクニカルな両チームだが、技術云々ではなく気持ちの強さが強く印象に残る清々しい試合だった。元よりファンの多い両チームだが、この試合を見た人は、この2チームを更に好きになったのではないだろうか。

試合後の両チーム監督のコメント

三菱養和SCユース・生方修司監督
-首位チームが相手でしたが?
「強気で言えば、失礼かもしれませんが、今日のヴェルディは良い時の60から70くらいだったかなと思います。中島君にしてもトップチームにも行っていて、相当疲れていたと思います。できれば勝ちたかった。試合前は勝点を取れれば御の字と考えていたけど、ハーフタイムに『これはいけるぞ』と話していました」
-守備に回る時間が長かったですが?
「ヴェルディはクオリティが高いですし、何でも出来る子ばかり。分断するというよりは、受けに回ったとしても皆で守備をしようと。うちのCBの所に割とシンプルに入れてきて、CBはスピードがあまりないのでそこを突いてきた。失点も時間の問題かと思っていました」
-前半、サイドを崩される場面がありましたが?
「外をやられても、中で跳ね返してセカンドボールを拾おうと話していて、よく守れていました」
-永井選手はビッグセーブ連発でしたが?
「彼が活躍しないと勝点が取れない、最後の砦です。よく練習するし、足りない所はあるけど努力しています」

東京ヴェルディユース・冨樫剛一監督
-試合を振り返っていかがですか?
「歴史的に養和との積み重ねがあって、今日は負けるかなと思いました。新人戦の結果は抜きにして、お互いトレーニングして成長してのゲームで、勝ち点1は悪くないです。最終的にEASTで首位に立てれば良いので。同点にできたのもチーム力、逆転できなかったのもまたチーム力だと思います。こういう相手を崩して勝つのがプロには必要ですし、今日は成長できるゲームになったと思います」
-試合後、前田選手に声をかけていましたが?
「気になったのはミスじゃないと。シュートを外した後に寝転がったりした部分。シュート一発で決めるのが一番だけど、うちのFWは立ち振る舞いも大事にしています」
-ゴールを決めた菅嶋選手についてはいかがですか?
「虎視眈々と狙っていますし、貪欲さは数字にも表れていると思います。高2でまだ成長段階ですけど、今日みたいにフルで出て、体力使ってやりきれている。上に行っても出来ると思います」

(了)

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