#58 7/14 チャレンジリーグ 第15節 スフィーダ世田谷FC vs ジュ ブリーレ鹿児島
『東京偉蹴的 MATCH OF THE WEEK』 #58
勝点3は手にしたが、到底満足のいく試合ではなかったスフィーダ
7/14(土)13時 江東区夢の島陸上競技場
チャレンジリーグ 第15節
スフィーダ世田谷FC 1-0 ジュ ブリーレ鹿児島
暑さと強風の中、スフィーダ世田谷はFW長澤優芽のゴールでジュブリーレ鹿児島を下した。しかし、決して満足のいく90分ではなかった。笑いながらではあったが、川邊健一監督は「簡単に総括すると、試合内容が終わっていた」と振り返った。
中盤の中継地点を封じられたことで、ボールを落ち着かせることができない
前半、スフィーダは積極的に相手ディフェンスラインの裏を狙う。長澤のフリーランニングを合図にボールが動く。しかし、それに固執しすぎた面もあった。横パスを交えて落ち着かせる場面があまりなく、せっかちなプレーが目立った。要因の一つにMF田中真理子の自由が制限された事が挙げられる。「相手がマンツーマンで来た」と田中が話したように、スフィーダの司令塔には監視の目が光っていた。
彼女の所でボールが収まらず、スフィーダは縦へ縦へと邁進する事になる。相手のクリアミスなどもあり、セカンドボールを拾って相手を押し込む事はできた。ただ、ゴールを予感させるフィニッシュは見られず、消化不良の前半はスコアレスで終わった。
後半も攻めあぐねるスフィーダは、FW石渕優紀にいつものキレが無い。トップスピードに乗ることができず、ボールへの関与は普段より少なかった。相手に脅威を与えられる選手だけに、この日は物足りない出来だった。
それでも、両者の力関係を考えると、スフィーダが敗れる可能性は少なかった。「いつか入るだろう」という川邊監督の言葉は、希望や願いではなく確信だった。後半24分、長澤が3戦連続となるゴールを決めて先制する。
前半、試合から消える時間が長かった田中も、後半途中の選手交代をきっかけに存在感を示し始める。ダブルボランチの一角からアンカーになった事で、相手のマークをそれほど受けなくなった。「なるべく広い方を見てパスを出している」と田中も話すとおり、両サイドのスペースへのパスから、ゲームを組み立てた。結局、試合は1-0のまま終了。スフィーダにとっては不満の残る内容だったのは間違いない。流れに応じたプレーを選択できていたとは言い難く、大雑把な攻撃が目立った。
試合を通して主導権を握れていたが、最早スフィーダは、それだけで満足するようなチームではないはずだ。