#57 7/8 なでしこリーグカップ 第3節　日テレ・ベレーザ vs ASエルフェン狭山FC

10番の高いパフォーマンスで勝利を呼び込む

伊藤が勝利の立役者になった。2ゴールを挙げただけでなく、90分通してハイパフォーマンスを見せた。

前半、伊藤は右サイドに張っている時間が長かった。中央のスペースを空けることが狙いだったが、サイドに開いた状態でもチームに貢献した。中央に入ることで、利き足である左足が活きる。実際、それは伊藤の得意なプレースタイルでもある。

中に絞ることでゲームメイクに参加し、ドリブルで持ち込んでフィニッシュもできる。そうしたプレーで、今シーズンもチームの攻撃に厚みをもたらしてきた。この日は敢えてサイドに居残った。1.5列目に入った小林弥が、中盤に下りてボール回しに加わることでポゼッションを保った。

相手はボールを追い回すも奪えない。これにより両サイドにスペースが生まれ、開いていた伊藤が活きる形になった。2ゴールはいずれも左足で奪ったものだったが、右足でも積極的にシュートを狙った。仕掛けの局面でも、縦に勝負することで相手を翻弄した。

この日、チーム2番目の4本のシュートを放ち、そのうち2つをゴールに結びつけた。決定力とゴールへの意識は高い。中央に侵入するプレーだけでなく、縦に仕掛けて右足でもキックができる。伊藤のプレーが輝けば輝くほど、ベレーザは勝利に近づいている。

 
試合後の監督・選手コメント

野田朱美監督
－試合を振り返っていかがですか？
「コンセプトというか、取り組んでいるサッカーはできたと思います。点が入らなかっただけですね」
－阪口選手がフリーランニングなどでよく動いていたと思いますが？
「今日というより、リーグ前半戦が終わったくらいから身体が絞れてきて、フィジカル的にも動ける状態にあります。先週は公式戦がなかったんですけど、土日の練習試合では両方ともほぼフルで出しました。今日も身体が軽そうで、90分間ばてずによくやっていたと思います。疲れた時もパフォーマンスが変わらないですし、群を抜いてコンディションが良いです」
－試合終盤には岩清水選手も出場させましたが？
「怪我の回復具合が良くて、本人も少しでも出られるならということで出しました。2-0になったから良かったですけど、1-0のままだったら出すか分からなかったです（笑）」

MF伊藤香菜子
－2ゴールを挙げましたが？
「狙い通りのシュートが打てたので、決まって良かったです」
－チャンスを作りながら決まらない展開でしたが？
「前半の最初から攻めていたけど決められず、でも、声を出し合って集中を切らすことなくできていました。欲を言えばもっとゴールを奪えれば良かったですけど、勝てて良かったです」
－特に前半は、ワイドに張ったままの時間が長かったですが？
「中に入っていくこともできたんですけど、中のスペースを空けておこうと。自分がいかなくても（永里）亜紗乃や木龍が中でしっかりプレーできていたと思います」

（了）