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#57 7/8 なでしこリーグカップ 第3節 日テレ・ベレーザ vs ASエルフェン狭山FC

『東京偉蹴的 MATCH OF THE WEEK』 #57

中盤を制圧してゲームを掌握 べレーザが点差以上の圧勝

7/8(日)18時 江東区夢の島陸上競技場
なでしこリーグカップ グループB・予選リーグ 第3節
日テレ・ベレーザ 2-0 ASエルフェン狭山FC

相手の鋭いプレスに苦しみ、有効な攻撃を仕掛けられない。4月に行われたなでしこリーグ第2節でのASエルフェン狭山FC戦は、そんな試合だった。結果的に3ゴールを奪っての快勝となったが、苦しめられた印象の方が強く残った。

オリンピック前最後の公式戦を2-0で勝利

あれから3ヶ月ほどが経過し、リーグカップで再び顔を合わせることになった。そして夢の島陸上競技場には、前回対戦時とはまったく違う光景が広がっていた。日テレ・べレーザが意のままにボールを繋いだ。リーグ戦の時ほど、相手のプレスは激しくなかった。加えてべレーザは、MF小林弥生を1.5列目に置くことで中盤で数的優位を確保。これによって、ベレーザのパスワークはよりスムーズになった。

また、ダブルボランチのMF原菜摘子とMF阪口夢穂が、中央に留まらず積極的なフリーランニングで相手を引きつけることで、周りの選手をフリーにした。5日(木)の練習後に原が言っていた、「自分に引きつけて周りを活かせれば」という言葉が実現した形だ。

しかし肝心のゴールが生まれない。中央を制圧した事で、サイドや裏のスペースが空いた。MF伊藤香菜子とMF木龍七瀬の両サイドハーフ、最前線のFW永里亜紗乃が何度もフィニッシュに持ち込むも、あと一歩のところでスコアは動かない。ようやく先制点が決まったのが前半32分。永里、原とパスが渡り、伊藤が左足を振り抜いてゴール左隅に突き刺す。「狙い通り」と伊藤が話したようにGKが触る事のできないコースを見事に突いた。

欲しかった先制点が決まったものの、今度は追加点が奪えない。後半もゴールに迫り続けるも、ラストパスが合わない。後半のシュート数は8本だったが、それ以上のチャンスを作り出していた。それでも、追加点を奪えない状況にも焦りはなかった。

「声を掛け合って、集中を切らすことなく出来ていた」と伊藤が話したように、流れを断ち切る事なく攻め続け、結果的にその姿勢が2点目に繋がる。29分、永里のドリブルからのラストパスを伊藤が左足で決めた。

終盤にはDF岩清水梓を投入し、オリンピックに臨むディフェンスリーダーを実戦復帰させた。満足のいくゴール数ではなかったが、得点の少なさを帳消しにする試合内容だった。べレーザが、オリンピック前最後の公式戦を白星で飾った。

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