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#53 6/17 J2 第20節 東京ヴェルディ vs ジェフユナイテッド千葉

―自陣に押し込まれることは、想定の範囲内だったか?
「もう少しボールを回せないものかなと。相手のプレッシャーというより、自分たちが気負いすぎた。相手の裏を突くことを意識しすぎてしまい、繋げなかったですね。」

―戦前、川勝監督は千葉の選手に対し、「ほかのチームとは個の強さが違う。いつもの調子で対応していたら間違いなくやられる」と語っていました。
「そこはうまく対応できていたと思う。攻め込まれてはいたけれど、完全に崩された場面はほとんどなかった。」

―千葉の攻勢にさらされながらも、途中から守りのリズムのようなものが出てきたのでは?
「そうですね。1点リードしていることが精神的に大きかった。心掛けていたのは、前に出るディフェンス。ボランチが下がって、最終ラインに吸収される形は避けたかった。自分の裏を使われても、センターバックがいる。そこに信頼感があるから前に行けた。」

―4連勝で首位に立ちました
「この4試合、特別出来が良いわけではないんですけどね。それでも前半戦の折り返し地点が見えてきたところで、この位置という事は、やってきたことが成果として表れているのだと思う。」

―まだ先は長い。首位の座を奪ったことを、あんまり騒ぎ立ててくれるなという気持ちは?
「追われる立場になり、プレッシャーを受けてサッカーをしたほうが自分たちの為になる。いいですよ、どんどん言ってください。」

と和田は快活に話し、笑顔で締めくくった。

“しゃべらない”ボランチ 和田拓也の成長

昨年の夏頃、私は川勝良一監督に訊いたことがあった。試合中、言葉数の多くない和田のボランチ起用に対し、「しゃべらないボランチでいいんですか?」と。これに対し、川勝監督はこう話した。

「もちろん、しゃべることも技術のひとつで大事な要素。ちょーっとずつ、しゃべるようになってきたよ。まだ優しい声でだけど(笑)。だんだん変わってきている。もうちょっと慣れが必要だね。そこは辛抱して使っていくしかない。」

あれから約1年、和田の成長ぶりは目覚ましい。周囲に対するコーチングの頻度は徐々にしか増えていないが、口より圧倒的に早く身体がボールに反応する。これはこれでボランチとして成立している。むしろ、まだまだ伸びしろがあると見られ、今後の変化が楽しみだ。

(了)

(取材・文 海江田哲朗)

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