#29 4/8 チャレンジリーグ第1節 スフィーダ世田谷 vs AC長野パルセイロレディース
チャンスを逃すと相手に流れが傾くことがあるが、スフィーダはそれをさせなかった。後半はほとんど相手に攻められることなく、いかに自分達がゴールを奪うかということに集中していた。
そして22分、スフィーダが追加点を奪う。田中真の右CKを、森が頭で合わせてネットを揺らした。流れの中でゴールを奪えなければ、セットプレーで決める。サッカーの定石を、スフィーダの選手達は体現した。そして、フィナーレは43分。相手ディフェンスラインの裏へ抜け出した石渕が、冷静にGKとの一対一を制し、ゴールを決めた。前半はボールが足につかない場面もあった。後半も、チャンスを逸していた。それでも、10番はフォワードの仕事を果たして見せた。結局、試合は3-0で終了。
前半はリズムに乗れなかったが、後半は相手に付け入る隙を与えず、自ら得点を重ね開幕戦勝利を飾った。
スフィーダ世田谷を支えるセンターライン
結果的に快勝に終わったが、前半は相手に押し込まれる時間帯もあった。流れを引き戻したのは全員の力によるものだが、特にセンターバック・田中麻、ボランチ・田中真、センターフォワード・石渕の存在は大きかった。田中麻は、要所を締める守りで奮闘し、攻撃の起点にもなった。田中真は、試合を落ち着かせることのできる選手だ。彼女が中央からパスを散らすことで、リズムを作った。後半に入って、両サイドから幾度となく攻め込んだスフィーダだが、田中真の正確な配球があってこそだった。キックの制度が高く、CKからチーム2点目をアシストした。
石渕は、力強い突破で相手の脅威になっていた。キープ力も高く、味方は安心してボールを預けられた。そして、フォワードにとって最も大事な“ゴール”という結果も出した。他にもチャンスがあったため、1点では物足りないという見方もできるが、次節以降に期待の持てる働きだった。センターラインがしっかりしていれば、チームは機能する。この日、長澤と福原の両サイドバックは何度もオーバーラップし、前線では森も高い技術で相手を翻弄した。後半のような戦いを試合開始からできれば、スフィーダはチャレンジリーグの主役になれるのではないか。
試合後の川邊健一監督コメント
-試合を振り返っていかがですか?
「勝点3を目標にしていたので、勝てて良かったです。試合前は1-0でも良いので勝ちたかった。」
-内容に関してはいかがですか?
「ショートパスを繋いでいくサッカーを目指しているのですが、今日はピッチコンディションが良くなかったのもあって、パスが繋がらなかったです。内容は、次の試合でしっかり発揮できるようにしたいです。相手がノーリスクなプレーを選択してきたので、切り替えや、ボールを失った直後を意識させました。」
-後半はワンサイドゲームでしたが?
「前半は、選手達のポジショニングがずれていて、そこをハーフタイムで修正しました。選手達がそれをしっかり表現してくれたので、ワンサイドゲームができたのかなと思います。」
-準加盟クラブとして、昇格に向けてはいかがですか?
「チャレンジリーグの中で、中堅以上の実力はあると思っています。どこまで上位チームについていけるかが大事になってきます。これで勢いに乗れれば良いですけど、まだあまり考えていないです。」
(了)