#7 9/11 チャレンジリーグEAST 第13節 スフィーダ世田谷FC vs ノルディーア北海道
まさかの失点スタートも、チームに動揺なし
試合は思わぬ展開を迎える。前半3分、先制したのはN北海道だった。FW前田智美が中央を抜け出して流し込む。最下位を相手に1点のビハインドを負ったS世田谷だったが、決して焦らなかった。彼女らは特別にバランスを崩すことなく、平然と試合を再開した。
「先制されたからといって特別に声をかけることはありませんでした。開始直後の失点は珍しいことでもないので、慌てずにやっていく中で自力で取ってくれるだろうと思っていました。選手達もそう考えていたと思います。」(スフィーダ世田谷FC・川邊健一監督)
川邊監督の言葉通り、この失点が杞憂だと証明されたのは僅か1分後のことだった。4分、ペナルティエリア前でボールを保持したMF森仁美が右足を簡単に振り抜いた。森はこのシーンを「相手のGKが右に寄っていたのが分かったので狙いすまして打ちました」と振り返る。
ボールは放物線の頂点を通過したあと、ゴールマウスをy切片としてゴールの中で地上を迎えた。S世田谷が「狙い通りに入ってよかったです。」という森の得点で同点に追いついた。その後もN北海道が押し気味に試合を進めていたが、S世田谷は黙々と試合を続行した。
とにかくボールに触ろうと
丁寧にボールを繋いで攻め入ってくるN北海道に対して、S世田谷は変わらず”追加点”を狙う。その時はまたしても早々と訪れた。
25分、S世田谷はMF永田真耶が右サイドを縦に突破すると、ディフェンスラインとGKのちょうど間にボールを放り込んだ。絶妙なクロスに飛び込んだのはMF田中真理子。
田中(真)はこの場面を「(普段は)あまり飛び出すことはしないんですけど、いいボールが来ていたので、とにかくボールに触ろうと思ってました。」と振り返る。
そして、その狙いを達成した。田中(真)は相手のGKより少しだけ早くボールを捉えることに成功する。次の瞬間、ボールはゴールの中へと転がっていった。
「(ノルディーア北海道とは今季の対戦で)1戦目も2戦目も、今まで私たちが圧倒的に試合を支配していましたが、今回は相手が球際で頑張っていたという事と、チームとしてのレベルをかなり上げていたのでしんどいゲームではありました。ただ、いつも通りの自分たちのサッカーをすれば主導権は握れると思っていたので慌てずに戦いました。」(川邊監督)