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#27 スフィーダ世田谷FC なでしこリーグ入替戦に出場決定


競争の激化がチーム力アップを後押し

「誰かがいなくてもやれる、という自信を得ながら選手達は戦えた。それが凄く大きかったと思います。去年は誰かが抜けるとガクンとチーム力が落ちてしまったり、コンディションが整っていなくても出さなければいけない試合がたくさんあった。そういう意味では、今年は楽でしたね。良い意味でメンバー選びに頭を悩ませました」

ノジマステラ戦後、指揮官はそう言って目を細めた。この言葉を証明するのが、田中(麻)の負傷離脱後も好調を維持出来たという点だ。大黒柱をシーズン序盤で失いながらも、スフィーダは確実に勝点を積み上げてきた。彼女の存在の大きさは、復帰後のプレーを見れば言わずもがなである。昨年までなら、田中(麻)が長期離脱する事になった時点で大きな不安がチームを覆っていただろう。しかし、今年は違った。

既存の選手達はグレードアップし、新加入組はいずれも高いクオリティを備えていた。そして、一瞬も気の抜けない競争の日々。誰が抜けても、チーム力を損なう事なく試合を戦えた。スフィーダが入れ替え戦のチケットを手に出来た要因はそこにあるのだ。その意味では、川邊監督のモチベーターとしての才覚も感じられる。メンバーを固定しない事で競争原理を作り出し、レギュラーとサブという垣根を排除した。多くの試合に出場する事になった選手も危機感を持ち、試合に絡めていない選手には『練習で頑張れば』という気持ちにさせる。そうした川邊監督の手綱捌きも称賛に値する。

総括的な事を書いたが、シーズンは終わっていない。入れ替え戦への切符を勝ち取ったからといって、そこはゴールではない。最終節はリーグ戦を締めくくると共に、新たなスタートを切る為の大事な試合となる。

「4位で入れ替え戦に行くのと、3位で行くのとでは全然違います。来週我々が負けてノジマが勝てば、順位がひっくり返る。そうならないように次も勝って、3位で入れ替え戦に臨みたいです」

スフィーダ世田谷FCの2013最終章がスタートした。

(了)

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