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#27 スフィーダ世田谷FC なでしこリーグ入替戦に出場決定

勝利に大きく貢献したGK川口のプレー

39分という短い時間だけに、互いに出し惜しみせず最初からフルスロットルだった。ルーズボールの競り合いが激しさを増していく中、出色の活躍を見せたのがGK川口真奈である。

少なくとも2度、スーパーセーブと言える好守を披露している。鋭い反応でゴールを割らせない守護神は、もうひとつ特筆すべきプレーを見せた。それは時間の使い方。ボールが流れて来た時、川口はすぐにキャッチするのではなく、その場でキープした。そして、相手が寄ってきた所でボールを掴み、次のプレーに移行した。「意地悪みたいなプレーだからあまりしたくない」と前置きして、川口は続ける。

「でもチームが勝つ為ですし、今日はフィールドの選手もぶつかり合いが多くて大変だったと思うので、少しでも時間を使おうと」

見事なセービングはもちろん、時間を有効に進めた川口の隠れた好プレーも、スフィーダ勝利の一因だ。

相手の猛烈な勢いを粘り強く耐え、相手の隙を突いてゴールを奪う。お手本のような勝ち方を見せたスフィーダが、なでしこリーグ9位クラブとの入れ替え戦に進出する事となった。

エース級の選手も危機感を持ち続けた

「今年はなでしこリーグ昇格が目標です。そして上がるだけでなく、上がってからも通用するチームを作りたい。それだけの自信はあります」

今年1月、川邊監督は今シーズンのチーム作りについてこのように語った。この言葉から約8ヶ月、スフィーダはなでしこリーグへ繋がる扉の前に辿り着いた。

今シーズンのスフィーダは、試合の度にスタメンが入れ替わった。ある程度メンバーを固定して戦った昨年とは違う手法だ。リーグ戦を振り返れば、不動と言える選手は何人かいる。だがそれは、ポジションを離すまいと練習や試合で必死にアピールし続けた結果だ。加入1年目にして、スフィーダサッカーになくてはならない存在となった下條にしても、常に危機感を抱いていた一人だ。

「まずはメンバーに入らないといけないので、また頑張ります」

試合でどんなに活躍しても、必ずと言って良いほどこの言葉を口にした。それは、得点ランク首位をひた走る森も同じだ。アピールしなければ、ポジションは確保出来ない。その思いが選手達を突き動かし、個々の意識がチーム力を高め、スフィーダは更にスケールアップした。

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