#10 10.7 東京クラシック特集(全5回) ~第3回 東京ヴェルディ編~
FC町田ゼルビアを知るアタッカー
この夏、東京ヴェルディに新しくFW木島良輔が移籍加入した。(2006・2007シーズン東京V所属。2010シーズンFC町田ゼルビア→2011・2012シーズン松本山雅FCを経て2012年8月に復帰) 当時JFLにいたFC町田ゼルビアの中で、キレと馬力を備えた木島のドリブルは大きな武器だった。また、前線からのチェイシングも特筆すべき点だ。対戦相手がキックオフで後ろにボールを下げた瞬間、鋭いプレスをかけるとそのまま奪ってフィニッシュに結びつけたこともあった。
2010シーズンの1年間ではあったが、町田サポーターに鮮烈な印象を残したのは間違いない。ただ、本人は再会を喜ぶ余裕はあまりない、と正直に言う。
「町田戦はもちろん楽しみだけど、今は東京Vの事を考えているから、そこまではあまり考えられないです」
木島自身、まだ移籍したばかりのチームで確固たる地位を確立したわけではない。試合に出場する可能性も、100%ではないというのが現状だ。それでも、どの試合でも出場して活躍したいと思うのがプロだ。更に木島には、かつての仲間以外にも再会を楽しみにしている人物がいる。木島はFC町田ゼルビアを指揮するオズワルド・アルディレス監督に恩を感じている。
「ここまで俺がサッカーを続けられているのは、アルディレスのおかげ。(当時所属していた)横浜F・マリノスで世話になったんで。(町田戦に)出場できるかできないかは別として、会えるのはすごく楽しみ」
オズワルド・アルディレス監督がいたから、今の木島良輔があると言ってもいい。
「マリノスの時に自分を使ってくれた人なんで、もし出られていなかったらサッカーを諦めていたかもしれない。自信をつけさせてくれたのもアルディレスなんで、恩を感じています」
5シーズンぶりに復帰した東京ヴェルディは現在、J1昇格争い(プレーオフ圏内)の渦中にいる。木島もフォワードとして結果を出さなければいけない。しかし、まだトップフォームではないようだ。声のトーンが、やや落ちる。
「(松本山雅で)ずっと試合に出ていなかったら、難しいよ。でも使ってくれる高橋監督の為に、アシストでも良いから点に絡まないといけない。それが本当に、最低限の任務だと思う」
まだ思うような動きが出来ないもどかしさがあるのだろう。だが、チームや監督の為にも、目に見える結果が欲しい。木島にとって東京クラシックはかつての仲間、恩師との再会の場であると同時に、チームの勝利、J1昇格の為に全力を尽くす場になる。
「東京ヴェルディの為に結果を出す」 それが木島良輔の目指すものだ。
(了)
~東京クラシック特集 第4回 FC町田ゼルビア編(パート2)に続く~(10/2掲載予定)