#23 J3リーグ展望(1)
フットボールに関する様々なイシューをコラムで綴る「FOOT ISSUE」
<ガイナーレ鳥取編>
昨年、入れ替え戦で讃岐にまさかの敗戦でJ3に降格したガイナーレ鳥取。これまでチームを支えてきた選手達が去った事で選手の顔ぶれも入れ替わり、新監督に松波正信氏を迎え、1シーズンでのJ2復帰を目指している。総当たり3回戦となる今季のJ3。第1クールの第11節(5/11時点)を終えた時点で勝点19の3位とまずまずの位置につけている中、第2クール初戦が5/18(日)ブラウブリッツ秋田戦となった。この試合、ガイナーレはいつものホームスタジアム・とりぎんバードスタジアムではなく、昨年新たに米子市に作ったYAJINスタジアムでの試合ということもあり、チームとしてもここで弾みをつけたいという試合だった。
YAJINスタジアム
YAJINスタジアムは、ガイナーレ鳥取が所有しているスタジアムである。クラブがスタジアムを所有しているのは日本ではこの1例だけで、このことからもガイナーレ鳥取というクラブのサッカー専用スタジアムへの思いが伝わってくる。
YAJINスタジアムは、掘り下げ式のスタジアムで元々ゴルフ場だった場所を掘り下げてつくったスアジアムである。周囲は民家に囲まれておりとてもスタジアムがあるような場所とは思えない。また、他のスタジアムと異なることは、スタンドなどの構造物が無いため周囲から見るとただの土盛りにしか見えない。
スタジアムの中に入ると土盛りの上には芝生があり、この場でもピクニックができるような素敵な空間になっていた。バックスタンドとメインスタンドには椅子が設置されており、両ゴール裏は立ち席である。ピッチからスタンドも凄く近い。観客のなかには席には座らずに、上の芝生にシートを広げて観戦をしている人もいたりと、スタジアム全体にゆっくりとした空気が流れ、スタジアムが温かく優しい感じに包まれていた。国内の色々なカテゴリーの試合で、色々なスタジアムに行っているが、これだけほんわかとした空間は今までに体験したことがない。J3なので問題が起きないという前提だと思うが、サポーター同士の争いなどが生じるとセキュリティー的に問題がでてくる可能性が示唆された。
鳥取県とガイナーレ
ガイナーレ鳥取が位置する鳥取県は、人口の集中エリアが県の両端である鳥取市と米子市に集中していおり、クラブも観客動員数の確保などに苦労していると思うが、とりぎんバードスタジアムとYAJINスタジアムという2つのサッカー専用スタジアムを要している日本唯一のクラブとして、なんとしても1年でJ2に戻って欲しい。