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『町田でお待ちだ!』 第2回 アウェイの試練を乗り越えた町田

第2回 アウェイの試練を乗り越えた町田。次の課題と可能性は!?

典型的なアウェイの戦いだった讃岐戦

FC町田ゼルビアにとって、6/16(日)のカマタマーレ讃岐戦は“勝点6”に相当する大一番だった。町田の目標は言うまでもなくJFL制覇と、J2への自動昇格。しかし第13節・佐川印刷戦以降の3試合は2分1敗と勝利から遠ざかり、3位・町田と首位・讃岐の勝点差が6まで開いていた。もしこの試合を落とせば勝点差は9に拡がり、目標から大きく後退することになる。

町田にとっての試練は、自らの戦績や相手の実力に止まらなかった。最初の難敵は四国の天候。高松行きの飛行機に乗り込んだ選手達だったが、現地の悪天候により着陸地が関西国際空港に変更されてしまう。大急ぎでバスを手配したが、香川入りは当然ながら遅くなる。「コンディション的に悪い状態だった」と秋田豊監督も語る試合前の状態だった。更にキックオフ時の気温は28.1℃だったが、前日の雨が蒸し暑さを誘って体感は数字以上。

ピッチも前日に開かれた陸上大会の影響で、まだら模様に土が浮き上がる酷さ-。丸亀競技場は町田にとっては、今年最強の“アウェイ”だった。

相手の分が良い時でも、遠征に行って環境が悪い、暑さで身体が動かないといった中でも、戦い抜けるチーム――。これは秋田監督が開幕前に語った目指すべきチームの方向性である。讃岐戦はその言葉通りに、ピッチで真価を表現できるかが問われる一戦だった。

町田は試合の立ち上がりから、自陣に押し込まれる。讃岐は[4-3-3]の布陣でピッチを広く使うサッカーだ。右SBの吉澤佑哉がMFを追い越すほどの高い位置を取り、FW木島良輔やMF関原凌河と絡んで崩してくる。左利きのCB野口遼太が右サイドに合わせるロングフィードも有効だった。4人、5人が前線に張り、ボールを奪われてもそのまま高い位置からプレスを掛けてくる。町田は[4-4-2]の3ラインで中を固め、相手の中盤インサイドも庄司悦大らがよく潰していた。しかし相手の前がかりなサイド攻撃に、フォアプレスに後手を踏んでいた。左SBに入っていた柳崎祥兵が、肩を痛めて前半28分で退くアクシデントもあった。

ただし町田の監督、選手はこの展開が想定内だったと口を揃える。秋田監督は「前半は相手が来ると分かっていた」と言うし、右MFで先発していた村上聖弥も「60分くらいから相手の足が止まるということは、(事前のスカウティングなどで)分かっていた」と明かす。前半30分頃までの悪い流れを耐えられたことが、町田にとっては「第一の成功」(秋田監督)だった。町田は次第にボールの支配率を高め、二度三度と惜しいチャンスを作ってハーフタイムを迎える。

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