TOP>>コラム>>OTHER COLUMN>> 連載コラム開始 『いしかわごうのウルトラなる挑戦記』 第1回 スフィーダ作戦第一号

連載コラム開始 『いしかわごうのウルトラなる挑戦記』 第1回 スフィーダ作戦第一号

ウルトラマンと女子サッカー?

そして気になるのが、ウルトラマンとの繋がりだろう。
これはスフィーダ世田谷FCの本拠地である世田谷区砧が、かつて円谷プロのあったウルトラマンの聖地だったことに関連していた。スフィーダ世田谷の事務所は「ウルトラマン商店街」として有名な祖師ケ谷大蔵にあり、地元と密着しながら活動を展開しているのだという。「ウルトラマン商店街」は2008年度からスフィーダ世田谷FCのオフィシャルパートナーになっており、昨年はユニフォームの胸スポンサーにもなっている。

祖師ケ谷大蔵は、数年前に姉が住んでいたこともあり、個人的にも馴染みある街だった。確かに駅前にはウルトラマンの銅像が建っており、商店街にはあちこちにウルトラ兄弟たちの姿があった。現在、商店街の街路灯にはウルトラマンとスフィーダのロゴの入ったフラッグがなびいており、チームは月に一回、ウルトラマン商店街の清掃活動に参加しているそうである。

スフィーダ世田谷FCの公式HPにはこんな文章が掲載されていた。

『強さと思いやりと正義感を持ったウルトラマンの精神はスポーツを行うチームの向かう方向性とも合致します』

ウルトラマン精神を大事にするサッカークラブだなんて面白いじゃないか。自分がウルトラマン好きということもあり、僕はスフィーダ世田谷FCに一気に興味を持ってしまった。

そこで、もっと積極的に調べてみることにした。名付けて”スフィーダ作戦第一号”である。別にわざわざ名付ける必要はないのだが、自分を盛り上げていく為にも、なんとなくそうしてみたのである。なお、このネーミングはウルトラマンの第1話「ウルトラ作戦第一号」からヒントを得ている。

サッカーチームである以上、やはり注目したいのは、“どんなサッカーをするのか”という部分だ。ただ困ったことに、クラブの成り立ちや歴史などはインターネット上の情報で把握できても、「スフィーダ世田谷FCがどんなサッカーをしているのか」の映像や情報は入手できないのだ。

これは由々しき事態である。
今や日本にいながらにして、世界の主要な海外サッカーリーグをリアルタイムでテレビ観戦できてしまう時代だ。スペインのバルセロナやイングランドのマンチェスター・ユナイテッドといったビッグクラブの情報は、そのサッカーを語り尽くせるほどの量がほぼ入ってくる。国内リーグに目を向けても、J1とJ2はスカパー!で全試合生中継している。女子のなでしこリーグ(1部リーグ)だって、ワールドカップ優勝をきっかけに毎節何試合かスカパー!で中継されるようになった。全くありがたいことで、サッカーファンにはなんとも贅沢な時代が訪れたものである。

にもかかわらず、国内2部の女子チームレベルになると、途端に情報はなくなる。東京に住んでいながらも、東京の女子チームがしているサッカーの情報を知る術は少ないのだ。ならば自分のこの目で確かめてみるしかない。ライターたるもの、自分の足を使って情報を集めてナンボである。そう思い、鼻息を荒くして4月に行われた開幕戦に足を運んでみることにした。

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