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#16 2013 JFL開幕特集~横河武蔵野FC~

攻守に連動したプレーを出し続けられるか

もっとも吉田監督は、システムへのこだわりがあまりない。

「後ろの選手にもチャンスがあれば上がって良いと言っているので、ディフェンスラインから顔を出す事もある。システムありきじゃなくて、誰がチャンスに気づき、誰がピンチに気づくかというのを大事にしている」

後ろが守備、前が攻撃という考えではなく、ピッチ上の選手達が連動し続ける事を求めている。そのために重要なのが、吉田監督も「生命線」と言う攻守の切り替えだ。ゼルビア戦は切り替えのスピードが、局面、局面で発揮された試合だった。

この試合に関して、冨岡は「ちょっと出来過ぎ」と笑う。だが、昨シーズンのJクラブであるゼルビアを相手に、押し気味に試合を進めた。その事は自信になったはずだ。同じカテゴリーのチームとの実戦で、自分達が取り組んで来た事が間違いでなかった事も確認出来たはずだ。また、この日は他にも収穫があった。

「アウェイで出来た事は大きい。また、これまで人工芝でやっていて初めて天然芝で出来た。このふたつは選手にとって良かった」

普段の練習は人工芝で、トレーニングマッチも相手を迎えて行う事が多かった。初めて“ホーム”から出た事で感じられたものもあり、吉田監督も満足そうだった。

3月10日に開幕を迎えるJFL。「リーグは優勝、天皇杯は去年以上の成績」と、冨岡は今シーズンの目標を口にした。元々定評のあった守備に加えて、攻撃でも大きな向上が見られる。リーグと天皇杯の二兎を追う事は簡単ではない。調子を落とした時にどうなるかという部分も、まだ未知数。だが横河には、そうした不安要素以上の期待感がある。“Jの門番”は、昨シーズンとは一味違う姿を見せてくれるのではないだろうか。

(了)

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