#25 3/20 ACL予選リーグ 第2節 FC東京 vs 蔚山現代
『東京偉蹴的 MATCH OF THE WEEK』 #25
ポポビッチ監督が怖れる、連戦による“頭”の疲れ
3/20(土)14時 国立競技場
2012 AFCアジアチャンピオンズリーグ 予選リーグ 第2節 FC東京 2-2 蔚山現代
土曜日17日に行われた名古屋戦から中2日、FC東京は厳しい日程の中、アジアチャンピオンズリーグ予選リーグ第2節、蔚山現代戦に挑んだ。ボールを支配することで主導権を握り、セットプレーと完全な崩した形で2得点を挙げたものの、終盤にエアポケットに入ったミスで2度追いつかれて、2-2のドローに終わった。
失った勝点2の意味
「まずは、心を落ち着かせないと。」
試合直後の記者会見で、ランコ・ポポヴィッチ監督は自分に言い聞かせるように語ったが、直後の言葉は怒気を含んでいた。
「今日は結果や内容に関してではない。ある選手達が『2-1』となった時点で、試合が終わったと思っていた!」
勝ち点3を逃した要因となった2失点はともに、崩されたものではなく連係面での単純なミスだった。それに関しては後述するとして、まずは試合を振り返る。
FC東京は序盤、「アタッキングサードに入ったパスは2、3本くらいでしたよね。その位置を攻略できたのは(17日の)名古屋戦の方が多かったです」とMF高橋秀人が語るように、流動的な動きと3人目のフリーランが少なく、蔚山現代の慎重な守備を崩せない状況が続いた。しかし、17日の名古屋戦で久々の実戦復帰を果たし、この日はスタメン出場を果たしたMF米本拓司、そして高橋の両センターハーフが的確なカバーリングと素早い攻守の切り替えで、相手の好機を未然に防いだ。ポポヴィッチ監督も「米本はリスクを冒さずシンプルにプレーしてくれた。」と評価した。
均衡が崩れたのは37分、右CKからMF石川直宏のサインプレーを受けたDF徳永悠平が、トラップに手間取りながらも絶妙のループシュートで先制する。その勢いに乗って後半は「体力面で完全に落ちた(蔚山現代:キム・ホゴン監督)」相手をいなし続けてゲームを支配する。
蔚山現代の両サイドバックが「あまり上がってこなかった(MF高橋)」こともあり、DF太田宏介と徳永の両サイドバックがスピードに乗ったタイミングのよりオーバーラップを仕掛ける。MF梶山陽平がその動きを察知し、大きくサイドチェンジすることで、相手を押し込むことに完全に成功した。
その揺さぶりによって、バイタルエリア中央も徐々に使い出せてくる。23分、右サイドに流れたMF長谷川アーリアジャスール(後半17分に米本と替わって途中出場)が中央へクロスを送ると、中央のFW渡邊千真が胸で落とす。その落としに反応した梶山がボレーシュートを放ち、痛烈にゴール枠内を捕らえるが、相手GKにはじき出されてしまった。しかし、このシーンではシュートにつなげた上、ファーサイドにはMF谷澤達也がスプリントしてフリーとなり、完全に数的優位の状況を作っていた。