#14 東京は冬にフットボールシーズン到来を告げる!?
東京のフットボールに関する様々なイシューをコラムで綴る「FOOT ISSUE」
天皇杯・東京都予選の社会人チーム代表を決める大会が、冬の東京にフットボールシーズン到来を告げる。
第14回は東京のフットボールシーンの風物詩となっている“東京カップ”のオハナシです。
今季の東京都リーグのフットボールシーンを盛り上げるのはどのクラブ?
アマチュアクラブとJリーグクラブが勢揃いする天皇杯は、『その年の秋頃からスタート、新年を迎えた日に決勝』というのが大方のフットボールファンの認識であろう。しかし、その天皇杯出場を懸けた熱い戦いが、ここ東京で既に始まっている事を知る人はまだまだ少ない。
通称『東京カップ』と呼ばれている東京都社会人サッカーチャンピオンシップは、東京都の社会人チーム代表を決める大会に位置づけられる。真夏の8月に行われる天皇杯・東京都予選「東京都サッカートーナメント」への出場権を懸け、約2ヶ月もの間、真冬の東京の空の下、毎週のように熱い戦いが繰り広げられている。今年は関東リーグや東京都リーグなどに所属する全78チームが参加。早速、1次戦の1回戦からジャイアントキリングが連発している、まさにシーズン到来を告げる“東京一熱い”カップ戦だ。
2/17(日)に行われた3回戦から、編集部が注目する都リーグ1部の強豪チームの戦いを振り返ってみたい。
~慶應BRB~ 自由な攻撃と先を読んだ全員守備がテーマ
今シーズンから東京都リーグ1部に昇格した慶應BRBが、都2部・FC STEAMに圧勝した。開始早々の初シュートを皮切りにFC STEAMを押し込んでいく。7分にワンツーで相手バイタルエリアを崩して先制すると、18分には右クロスから2点目を奪う。その後も攻撃の手を緩めず、後半も次々にネットを揺らしていった。最前線のFW甲斐悠佑を中心に、複数の選手が絡む。その攻撃は迫力十分で、相手の守備網を軽やかに突破していく。大量11ゴールを奪い、慶應BRBがベスト16進出を決めた。
攻撃に目を奪われがちだが、福田雅監督(※東京カップはコーチ登録)は守備面を評価する。
「11-1で勝つより、1-0で勝つ方が美しいと思っています。3手、4手先を読んで全員守備をしようと指示しました」 その言葉通り、選手達も前から追い込み相手を自由を与えない。それが試合を通して継続されており、監督の意図がチームに浸透している事を伺わせた。
今シーズンから戦う事となる都リーグ1部だが、リーグ開幕戦からいきなり早稲田ユナイテッドとの“早慶戦”だ。「ボコボコにされるんじゃないですか」と福田監督は笑う。だが、都リーグ1部という舞台で「一戦一戦強くなっていければ」と、現状を冷静に分析しながらチームの成長を誓っていた。