#86 10/13 全社 1回戦 東京23FC vs 三菱重工長崎SC
『東京偉蹴的 MATCH OF THE WEEK』 #86
苦しみ抜いた東京23FCが薄氷を踏む思いで勝利を掴む
10/13(土)14時30分 上袖木公園陸上競技場
全国社会人サッカー選手権大会 1回戦
東京23FC 2-1(延長) 三菱重工長崎SC
試合終了間際、両チーム共に荒れた。一触即発のムードが漂う中、延長戦の末に試合を制したのは前年の全社王者、ディフェンディングチャンピオンの東京23フットボールクラブだった。
先に主導権を掴んだのは、東京23だった。高い位置からプレスをかけ、ボール奪取から厚みのある攻撃を見せる。スピードのあるFW岡正道やFW三澤慶一がサイドを崩していく。
対する三菱重工長崎SCは前半14分、MF長谷慎司がドリブルで持ち込み、相手守備陣を掻い潜ってシュートを放つ。そして最初のチャンスの2分後に三菱重工が先制点を奪う。最終ラインからのフィードに抜け出したMF江濱慎介が右サイドを突破。折り返しを長谷が豪快に右足で合わせてネットを揺らした。
ペースを掴みながらも失点した東京23FC 前半に追いついて勝負は後半へ
ペースを掴みながら先に失点するという、東京23にとっては嫌な展開となった。この流れを打破したのがMF田村聡だった。31分、FW山本孝平のラストパスを受けた田村がシュートを放つ。三菱重工・GK福田涼に触られたものの、そのままゴールが決まって同点に追いつく。その3分後には、三澤がドリブルでエリア内へ侵入しラストパス。岡がシュートを狙うもミートできず追加点とはならなかった。
後半13分、東京23は田村に代えてFW山本恭平を投入し、2トップに変更。なかなか追加点が奪えない展開の中、途中からセンターバックのDF中山友規を前線に上げるなど、ゴールを奪いにいく姿勢を見せた。
だが、試合は三菱重工が主導権を握っていた。後半だけで8本と東京23の倍のシュートを放った。特に終盤は少なくとも3つの決定機があり、フィニッシュの場面で完全にフリーということもあった。
パスやキープで違いを生み出すMF原田武男がタクトを振るい、能力の高い攻撃陣が躍動した。原田が熟練のプレーで時間を操ったが、東京23・米山篤志監督も「中盤で負けた」と振り返った。
三菱重工の最後の一押しが足りず、東京23にとっては肝を冷やしながらも九死に一生を得た格好だ。